評議員会が終わると、事務局には議事録を作る仕事が残ります。「何を書けば足りるのか」「評議員や理事の署名は要るのか」「書面決議(決議の省略)のときも議事録を作るのか」「どこに何年置くのか」と、手を止めて確かめる場面が毎回あります。
この記事は、令和8年11月5日にe-Gov法令検索から取得した条文が根拠です。社会福祉法(以下「法」)、社会福祉法施行規則(以下「規則」)、一般社団法人及び一般財団法人に関する法律(以下「一般法人法」)の条文だけを読み、評議員会の議事録そのものに絞って整理します。
- 規則第2条の15第3項が定める7つの記載事項を、1つずつ読む
- 署名・記名押印について、条文が何を書き、何を書いていないか
- 決議の省略・報告の省略のときの議事録に何を書くか
- 備置きの場所と期間、評議員と債権者の閲覧・謄写の請求
評議員会の決議事項そのものは評議員会の決議事項・報告事項の記事で、理事会議事録は理事会議事録の記事で整理しています。理事会議事録との違いを表で見たい場合は、理事会議事録の記事の比較表をご覧ください。理事会と評議員会の役割の違いは、理事会と評議員会の違いの記事にまとめています。
条文から言えることと言えないことは分けて書きます。議事録のひな形の良し悪し、押印の慣行、電子署名の要否などは、今回読んだ条文には書かれていないため、断定しません。
先に結論
- 評議員会の議事については、議事録を作成しなければなりません(法第45条の11第1項)。書面または電磁的記録で作ります(規則第2条の15第2項)。
- 議事録に入れる事項は、規則第2条の15第3項に第一号から第七号の7つが挙がっています。日時・場所(出席の方法を含む)、議事の経過の要領とその結果、特別の利害関係を有する評議員の氏名、意見・発言の概要、出席者の氏名・名称、議長の氏名、議事録の作成に係る職務を行った者の氏名です。
- 評議員会の議事録について、署名や記名押印を求める文言は、法第45条の11と規則第2条の15には書かれていません。理事会の議事録は、法第45条の14第6項が署名または記名押印を求めています。評議員会で署名人を置くかどうかは、条文からは決まらず、定款や法人の規程で決めた運用になります。
- 決議の省略(一般法人法第194条)で決議があったものとみなされた場合も、議事録の記載事項が規則第2条の15第4項に定められています。報告の省略(第195条)も同様です。
- 議事録は、評議員会の日から10年間、主たる事務所に備え置きます。従たる事務所には、写しを5年間備え置きます(法第45条の11第2項・第3項)。
- 決議の省略に使った同意の書面または電磁的記録は、一般法人法第194条第2項が、みなされた日から10年間の備置きを定めています。
- 評議員と債権者は、業務時間内はいつでも、議事録の閲覧または謄写を請求できます(法第45条の11第4項)。
1. 議事録を作る義務と、作り方の枠
まず、作成義務です。法第45条の11第1項は、次のとおりです。
評議員会の議事については、厚生労働省令で定めるところにより、議事録を作成しなければならない。
作り方は「厚生労働省令で定めるところにより」とされていて、その省令が規則第2条の15です。同条第2項は、形式を次のように定めています。
評議員会の議事録は、書面又は電磁的記録をもつて作成しなければならない。
つまり、紙でもデータでもよいが、どちらかで作る、ということです。評議員会を実際に開いたときの議事録の記載事項は第3項、決議の省略などの場合の記載事項は第4項に分かれています。
2. 7つの記載事項を1つずつ読む
第3項の書き出しは、次のとおりです。
評議員会の議事録は、次に掲げる事項を内容とするものでなければならない。
7つの号を、先に表で並べます。右の欄は、条文ではなく、事務局が確かめるときの目安として弊社が付けた整理です。
| 号 | 条文の記載事項 | 本部で確かめること |
|---|---|---|
| 一 | 開催の日時と場所(出席の方法を含む) | Web出席者がいれば、その氏名と出席の方法 |
| 二 | 議事の経過の要領とその結果 | 議案ごとの結果が追える書き方になっているか |
| 三 | 特別の利害関係を有する評議員の氏名 | 該当者がいる議案と、その氏名 |
| 四 | 述べられた意見・発言の概要 | 条文が挙げた規定による発言があったか |
| 五 | 出席した評議員・理事・監事・会計監査人の氏名又は名称 | 出席者の名簿と照合 |
| 六 | 議長の氏名(議長がいるとき) | 議長を置いたかどうか |
| 七 | 議事録の作成に係る職務を行つた者の氏名 | 作成者を誰にするか |
以下、判断に迷いやすい号を順に読みます。
第一号:日時・場所と、Web出席の書き方
第一号は、次のとおりです。
評議員会が開催された日時及び場所(当該場所に存しない評議員、理事、監事又は会計監査人が評議員会に出席した場合における当該出席の方法を含む。)
読み取れることは次の3つです。
- 開催した日時と場所を書く
- 開催場所にいない評議員・理事・監事・会計監査人が出席した場合は、その出席の方法も書く
- 出席の方法を書く対象は、評議員だけでなく、理事・監事・会計監査人も含まれる
条文が求めているのは「出席の方法」です。Web会議システムで出席した人がいれば、たとえば「Web会議システムにより出席」のように、誰がどの方法で出席したかが分かる形で書いておく、というのが条文に沿った素直な書き方です。これは弊社の整理で、決まった書式があるわけではありません。
一方で、Web出席が認められる条件や、通信の状態をどう確かめるかは、今回読んだ条文には書かれていません。定款や評議員会の運営の規程に定めがあれば、そちらを確認してください。
第二号:議事の経過の要領とその結果
第二号は、次のとおりです。
評議員会の議事の経過の要領及びその結果
書くのは「経過の要領」と「結果」です。発言をすべて書き起こすことまでは、この文言からは求められていません。どの程度まで詳しく書くかは、条文からは決まりません。
法人本部の実務としては、議案ごとに「提案の内容」「審議の要点」「結果(可決・承認など)」が追える並びにしておくと、第二号に沿った書き方になります。これも弊社の整理です。決議の成立に必要な出席数と賛成数は、法第45条の9第6項が「議決に加わることができる評議員の過半数(これを上回る割合を定款で定めた場合にあつては、その割合以上)が出席し、その過半数(これを上回る割合を定款で定めた場合にあつては、その割合以上)をもつて行う」と定めています。議事録の「結果」が、この枠のどこに当たるかを後から確かめられるように、出席した評議員の数と賛否を書いておくと、事後の確認に使えます。
第三号:特別の利害関係を有する評議員
第三号は、次のとおりです。
決議を要する事項について特別の利害関係を有する評議員があるときは、当該評議員の氏名
該当者が「いるとき」に書く項目です。いなければ、書く必要のない項目、という読みになります。
特別の利害関係を有する評議員は、決議のときに議決に加わることができません。法第45条の9第8項は、次のとおりです。
前二項の決議について特別の利害関係を有する評議員は、議決に加わることができない。
第6項は「議決に加わることができる評議員」を基準にして出席数と賛成数を定めています。特別の利害関係を有する評議員の扱いは、第6項と第8項を並べて読む必要があります。具体的な数え方の細部は、この記事では断定しません。
どのような場合が「特別の利害関係」に当たるかは、今回読んだ条文には書かれていません。個別の判断は、所轄庁や顧問の専門家にご確認ください。
第四号:意見・発言の概要が議事録に出る場面
第四号は、次の書き出しで始まります。
次に掲げる規定により評議員会において述べられた意見又は発言があるときは、その意見又は発言の内容の概要
「次に掲げる規定」は、イからヘまでの6つです。各号は、法第43条第3項、第45条の18第3項、第45条の19第6項が準用する一般法人法の条文を指しています。今回の一次情報には、その準用先の条文の中身は入っていません。したがって、どの場面の意見・発言が該当するかは、この記事では書きません。
条文から言えることは、次の2点です。
- 意見・発言を書く項目は、どんな発言でも書くというものではなく、条文が挙げた規定に基づく意見・発言に限られている
- 該当する発言が「あるとき」に書く(なければ書かない)
評議員会の記録を作るときは、発言の経過を記録しておき、そのうち第四号の規定に基づく発言に当たるかどうかを、規則の条文と準用先の条文で確かめる、という順序が安全です。迷う発言は、概要を書いておくほうが、書き漏らしの心配が少なくなります(弊社の整理です)。
第五号・第六号:出席者と議長
第五号は、出席者の氏名または名称です。
評議員会に出席した評議員、理事、監事又は会計監査人の氏名又は名称
評議員だけでなく、理事・監事・会計監査人も書く対象です。出席した会計監査人がいなければ、その分の記載はありません。
第六号は、議長についてです。
評議員会の議長が存するときは、議長の氏名
議長が「存するとき」に書く項目です。議長を置かない運用であれば、書く対象がありません。議長の決め方は、今回読んだ条文には書かれていません。
第七号:議事録作成者
第七号は、次のとおりです。
議事録の作成に係る職務を行つた者の氏名
ここで求められているのは、作成に係る職務を行った者の氏名を書くことです。署名や記名押印とは別の話です。氏名を記載事項として書くことと、書面に署名するかどうかは、条文の上では別々の項目として並びます。
作成者を誰にするか、事務局の職員でよいのかは、条文には書かれていません。実務上は、誰が作成の職務を担ったのかが後から分かるように、議事録に氏名を書いておく、という整理になります。
3. 署名・記名押印は、条文に書かれているか
評議員会の議事録で、事務局が迷う点の1つが署名です。条文を見比べます。
評議員会の議事録について、法第45条の11と規則第2条の15の条文には、署名や記名押印を求める文言は書かれていません。第45条の11の各項は、作成義務、備置き、閲覧・謄写の請求を定めており、第2条の15は形式と記載事項を定めているだけです。
一方、理事会の議事録は、法第45条の14第6項が、署名または記名押印を求めています。
議事録が書面をもつて作成されているときは、出席した理事(定款で議事録に署名し、又は記名押印しなければならない者を当該理事会に出席した理事長とする旨の定めがある場合にあつては、当該理事長)及び監事は、これに署名し、又は記名押印しなければならない。
この対比から言えることは、次のとおりです。
| 議事録 | 署名・記名押印 | 根拠 |
|---|---|---|
| 理事会 | 出席した理事と監事(定款に定めがあれば理事長)が署名又は記名押印 | 法第45条の14第6項 |
| 評議員会 | 今回読んだ条文には、求める文言がない | 法第45条の11、規則第2条の15 |
評議員会の議事録に署名人を置いている法人があるとすれば、それは、条文が求めているからではなく、定款や議事録の規程で定めた法人のルールとして行っているもの、と整理するのが条文に沿った読み方です。法人のルールとして署名人を置く場合は、次のことを決めておくと、毎回迷わずに済みます。
- 署名人を誰にするか(議長、出席した評議員の代表など)
- 署名・記名押印の対象にするのは、書面で作った議事録だけか
- 電磁的記録で作る場合は、署名に代わる措置を取るのか
なお、理事会の議事録が電磁的記録で作られている場合には、法第45条の14第7項が「署名又は記名押印に代わる措置」を取ることを求めています。評議員会については、これに当たる文言は、今回読んだ条文には見当たりません。電磁的記録で作った評議員会議事録の電子署名の要否は、この記事では断定しません。
4. 決議の省略・報告の省略のときの議事録
評議員会は、実際に集まって開くだけではありません。法第45条の9第10項は、一般法人法の決議の省略と報告の省略を、評議員会に準用しています。同項の後半部分を引用します。
同法第百九十四条の規定は評議員会の決議について、同法第百九十五条の規定は評議員会への報告について、それぞれ準用する。
一般法人法の条文は「一般財団法人」「理事」といった言葉で書かれています。社会福祉法人の評議員会に当てはめるときの読み替えは、同項が「必要な技術的読替えは、政令で定める」としています。政令の中身は、今回の一次情報には入っていません。そのため、この記事では「準用されている」と書き、読み替え後の文言は断定しません。
決議の省略(一般法人法第194条)
第1項は、次のとおりです。
理事が評議員会の目的である事項について提案をした場合において、当該提案につき評議員(当該事項について議決に加わることができるものに限る。)の全員が書面又は電磁的記録により同意の意思表示をしたときは、当該提案を可決する旨の評議員会の決議があったものとみなす。
要点は3つです。
- 理事が提案をする
- 議決に加わることができる評議員の全員が、書面または電磁的記録で同意する
- その2つがそろったとき、可決する旨の決議が「あったものとみなす」
全員の同意が要る点が、通常の決議(過半数など)との大きな違いです。
報告の省略(一般法人法第195条)
第195条は、次のとおりです。
理事が評議員の全員に対して評議員会に報告すべき事項を通知した場合において、当該事項を評議員会に報告することを要しないことにつき評議員の全員が書面又は電磁的記録により同意の意思表示をしたときは、当該事項の評議員会への報告があったものとみなす。
こちらは「提案」ではなく「報告すべき事項」の通知と、全員の同意で、報告があったものとみなします。
議事録に書くこと(規則第2条の15第4項)
規則第2条の15第4項は、次の書き出しで、みなされた場合の議事録の内容を定めています。
次の各号に掲げる場合には、評議員会の議事録は、当該各号に定める事項を内容とするものとする。
決議の省略と報告の省略を並べると、次のとおりです。
| 項目 | 決議の省略(第一号) | 報告の省略(第二号) |
|---|---|---|
| 事項の内容 | 決議があったものとみなされた事項の内容 | 報告があったものとみなされた事項の内容 |
| 提案をした者 | 提案をした者の氏名 | この項目はない |
| みなされた日 | 決議があったものとみなされた日 | 報告があったものとみなされた日 |
| 作成者 | 議事録の作成に係る職務を行つた者の氏名 | 議事録の作成に係る職務を行つた者の氏名 |
第3項の7つの記載事項とは別の定めです。集まらない評議員会の議事録には、日時・場所や出席者の氏名を書く項目が、条文の上では挙がっていません。事項の内容、日付、作成者(決議の省略では提案をした者も)が中心になります。
議事録の書き方の目安を、弊社の整理として挙げます。
- 決議の省略:どの提案を可決する決議があったものとみなされたか、提案した者は誰か、みなされた日はいつか、作成した者は誰か
- 報告の省略:どの事項の報告があったものとみなされたか、みなされた日はいつか、作成した者は誰か
なお、規則の文言は、決議の省略の第一号ロが「提案をした者」、理事会議事録(規則第2条の17第4項第一号ロ)が「提案をした理事」と、言葉が違います。評議員会の側は条文どおり「提案をした者」と書く、という整理で足ります。
「みなされた日」は、いつか
「決議があったものとみなされた日」が、同意の意思表示がそろった日なのか、提案の日なのかは、規則の文言だけでは決まりません。一般法人法第194条の条文は、全員の同意の意思表示があったときに決議があったものとみなす、と書いているため、全員分の同意がそろった時点が基準になる読みがまず浮かびます。ただし、細かな起算は、この記事では断定しません。同意書の日付は、評議員ごとに記録しておくと、後から確かめやすくなります。
同意書は10年間、主たる事務所に備え置く
決議の省略に使った同意の書面または電磁的記録について、一般法人法第194条第2項は、次のように定めています。
一般財団法人は、前項の規定により評議員会の決議があったものとみなされた日から十年間、同項の書面又は電磁的記録をその主たる事務所に備え置かなければならない。
条文の文言は一般財団法人の備置き義務として書かれています。評議員会の決議の省略は社会福祉法人に準用されているので、法人本部としては、同意書も10年間、主たる事務所に備え置く前提で管理しておくのが条文に沿った扱いです(弊社の整理で、読み替え後の文言は政令の側の話です)。起算点が「評議員会の日」ではなく、「みなされた日」である点に注意してください。
なお、第195条の条文には、報告の省略の同意書についての備置きの定めは書かれていません。
定時評議員会がすべて決議の省略になったとき
第194条第4項は、次のとおりです。
第一項の規定により定時評議員会の目的である事項のすべてについての提案を可決する旨の評議員会の決議があったものとみなされた場合には、その時に当該定時評議員会が終結したものとみなす。
読み取れることは、次のとおりです。
- 定時評議員会の目的である事項のすべてについて、提案を可決する旨の決議があったものとみなされた場合に当たる
- その場合、みなされた時に、定時評議員会が終結したものとみなす
一部の議案だけが決議の省略で、残りは集まって決議する、という場合は、この条文の文言には当たりません。また、報告事項があるときに終結がどう扱われるかは、第4項の文言だけからは決まりません。定時評議員会を決議の省略で済ませたいときは、まず目的事項のすべてが「提案」の形になっているか、報告事項をどう扱うかを確かめてください。
定時評議員会の日程と決算の流れは、決算スケジュールの記事で整理しています。
5. 議事録の備置きと、閲覧・謄写の請求
備置きの場所と期間
法第45条の11第2項は、次のとおりです。
社会福祉法人は、評議員会の日から十年間、前項の議事録をその主たる事務所に備え置かなければならない。
従たる事務所については、第3項が次のように定めています。
社会福祉法人は、評議員会の日から五年間、第一項の議事録の写しをその従たる事務所に備え置かなければならない。
第3項には、続けて、議事録が電磁的記録で作られていて、従たる事務所での閲覧等の請求に応じることを可能とする措置として厚生労働省令で定めるものをとっている場合は、この限りでない、というただし書があります。その措置の中身は省令の側で、今回の一次情報には入っていません。
ここまでを表にまとめます。
| 対象 | 場所と期間 | 起算点 |
|---|---|---|
| 議事録 | 主たる事務所に10年間 | 評議員会の日 |
| 議事録の写し | 従たる事務所に5年間 | 評議員会の日 |
| 決議の省略の同意書 | 主たる事務所に10年間 | 決議があったものとみなされた日 |
議事録の備置きが評議員会の日から数えるのに対して、決議の省略の同意書は、みなされた日から数えます。年数が同じでも、起算点が違うので、管理表には別の列で持つほうが確実です。
評議員・債権者は、いつでも閲覧・謄写を請求できる
第4項は、次のとおりです。
評議員及び債権者は、社会福祉法人の業務時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。
請求の内容は、議事録が書面か電磁的記録かで分かれます。
- 書面の場合:その書面又は写しの閲覧又は謄写
- 電磁的記録の場合:記録された事項を、厚生労働省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写
請求できるのは、評議員と債権者です。「いつでも」「業務時間内」という文言のとおり、請求の理由を示すことや、事前の許可を条文は求めていません(理由や許可が要るとは書かれていない、という意味です)。閲覧や謄写に応じる窓口を事務局に決めておく、というのは弊社の整理で、条文が決めているものではありません。
6. 法人本部で整理しておくこと
条文の構造から、事務局が手元でそろえておくとよい整理は、次の6つです。条文から導いた弊社の整理で、個別の判断は所轄庁にご確認ください。
- 記載事項のチェックリストを持つ。 規則第2条の15第3項の7つの号を、議事録の確認表にする。該当者がいない号(第三号、第六号など)は、「該当なし」と記録しておくと確認の手間が減る
- 出席の方法を、出席者ごとに記録する。 開催場所にいなかった評議員・理事・監事・会計監査人がいれば、氏名と出席の方法を控えておく
- 署名人を置くかどうかを、定款と規程で確かめる。 条文には評議員会の署名の定めがないので、法人のルールを確認する
- 決議の省略を使うときは、同意書を評議員ごとに回収し、日付を管理する。 全員分がそろったかを確かめる欄を作る
- 備置きの管理表を、議事録用と同意書用の2本に分ける。 起算点が違うため
- 閲覧・謄写の請求を受けたときの窓口を決めておく。 書面と電磁的記録で、見せ方が変わる
この記事で書いていないこと
次のことは、今回確認した条文には書かれていません。この記事でも書きません。
- 議事録のひな形の書式、押印の慣行、署名人の選び方:今回の一次情報に入っていません
- 電磁的記録で作った評議員会議事録の電子署名の要否:法第45条の14第7項は理事会の定めで、評議員会に当たる文言は読んでいません
- 第2条の15第3項第四号のイからヘが指す準用先の条文の中身:条番号のみが入っています
- Web出席が認められる条件、通信状態の確かめ方:条文には書かれていません
- 特別の利害関係の具体的な範囲:今回の一次情報に入っていません
- 議事録の作成期限、確定の手続:条文には書かれていません
- 一般法人法の条文を社会福祉法人に読み替えた後の文言:技術的読替えは政令で定めるとされ、政令は読んでいません
- 従たる事務所の備置きが不要になる措置の中身:厚生労働省令の側の定めで、読んでいません
- 通達・行政の解釈・自治体ごとの運用:今回の一次情報に入っていません
まとめ
- 評議員会の議事録は、書面または電磁的記録で作る(法第45条の11第1項、規則第2条の15第2項)
- 記載事項は、規則第2条の15第3項の7つ。第一号は出席の方法まで、第三号と第六号は「あるとき」、第四号は条文が挙げた規定による意見・発言、第七号は作成者の氏名
- 署名・記名押印を求める文言は、評議員会の議事録の条文にはない。理事会は法第45条の14第6項が求めている。評議員会で署名人を置くのは、定款や規程で定めた法人のルール
- 決議の省略・報告の省略でも、議事録の記載事項がある(規則第2条の15第4項)。決議の省略は評議員全員の同意が要り、定時評議員会の目的事項のすべてが可決とみなされたときは、その時に終結したものとみなされる(一般法人法第194条第4項)
- 議事録は主たる事務所に10年、従たる事務所に写しを5年。決議の省略の同意書は、みなされた日から10年。起算点が違う
- 評議員と債権者は、業務時間内はいつでも、閲覧又は謄写を請求できる(法第45条の11第4項)
- 決まらない細部は、定款・規程の確認と、所轄庁への相談に回す
参考にした一次情報
- 社会福祉法|e-Gov法令検索:第四十五条の九、第四十五条の十一、第四十五条の十四
- 社会福祉法施行規則|e-Gov法令検索:第二条の十五、第二条の十七
- 一般社団法人及び一般財団法人に関する法律|e-Gov法令検索:第百九十四条、第百九十五条
いずれも2026年11月5日にe-Govから取得した条文によります。本記事は条文の構造を整理したもので、個別の法人の議事録の作り方が適法かどうかを判断するものではありません。具体的な判断は、所轄庁や、顧問の税理士・社会保険労務士などの専門家にご確認ください。
評議員会の議事録と同意書の管理を、手作業で追っていませんか
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