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介護・障がい福祉の指定更新|6年ごとの有効期間と失効の実務対応

自治体のホームページで「指定更新の対象事業所はこちら」という案内を目にする時期になると、「うちの事業所はいつが更新なのか」を慌てて確認する、という法人様は少なくありません。ただ、こうした自治体の案内ページは、その自治体が所轄する事業所を年度ごとに列挙しているだけで、法人として複数の事業所・複数のサービス種別の有効期間をどう一元管理するかという視点では書かれていません。

この記事では、介護保険法・障害者総合支援法・児童福祉法という3つの法律に共通する「6年ごとの指定更新」の条文構造を整理したうえで、更新をしなかった場合に何が起きるのか、更新後の有効期間がいつから数え直されるのかを、条文の原文に沿って確認します。そのうえで、複数の指定・許可を持つ法人が、通知を待たずに管理する方法を提案します。

介護保険法・障害者総合支援法・児童福祉法に共通する「6年ごとの更新」

介護・障がい福祉のサービスは、その多くが「指定」を受けて初めて事業を行えます。そしてこの指定には、6年ごとに更新を受けなければ、期間の経過によって自動的に効力を失うという共通の仕組みがあります。介護保険法、障害者総合支援法、児童福祉法のいずれにも、ほぼ同じ条文構造を持つ「指定の更新」の規定が置かれています。

どのサービス種別がどの条文に対応するかを整理すると、次のとおりです。

根拠法条文(指定の更新)対象となる指定
介護保険法第70条の2指定居宅サービス事業者(第41条第1項本文の指定)
介護保険法第79条の2指定居宅介護支援事業者(第46条第1項の指定)
介護保険法第86条の2指定介護老人福祉施設(第48条第1項第1号の指定)
介護保険法第115条の45の6第1号事業の指定事業者
障害者総合支援法第41条指定障害福祉サービス事業者・指定障害者支援施設(第29条第1項の指定)
障害者総合支援法第51条の21指定一般相談支援事業者(第51条の14第1項)・指定特定相談支援事業者(第51条の17第1項第1号)
障害者総合支援法第60条指定自立支援医療機関(第54条第2項の指定)

児童福祉法にも同じ構造の更新規定が複数あり、それぞれ別の条が根拠になっています。第21条の5の16は第21条の5の3第1項の指定を、第24条の10は第24条の2第1項の指定を、第24条の29は第24条の26第1項第1号の指定を対象としています。これらとは別に、第19条の10が指定小児慢性特定疾病医療機関の指定を対象としています。どの条がどのサービスの指定に対応するかは、条文が指定の根拠条を番号で指しているだけで、条文中にサービス名が書かれていません。 自法人の指定がどれに当たるかは、指定通知書に記載された根拠条文で確認してください。

なお、第115条の45の6が対象とする「第1号事業」の指定事業者だけは、更新の周期が「六年ごと」と固定されておらず、次のように定められています。

指定事業者の指定は、厚生労働省令で定める期間ごとにその更新を受けなければ、その期間の経過によって、その効力を失う。

更新の周期そのものが厚生労働省令に委ねられている点は、ほかの指定と条文の書きぶりが違うので、台帳を作る際は区別しておきたいところです。

老健・介護医療院は「指定」ではなく「許可」

複数の指定・許可を一覧にするときに見落としやすいのが、介護老人保健施設と介護医療院は「指定」ではなく「許可」という扱いになっている点です。条文の名称も「指定の更新」ではなく「許可の更新」で、介護保険法第94条の2(介護老人保健施設)と第108条(介護医療院)にそれぞれ置かれています。

前条第一項の許可は、六年ごとにその更新を受けなければ、その期間の経過によって、その効力を失う。

これは第94条の2第1項の条文ですが、第108条にもほぼ同じ文言が置かれています。効力の失い方や更新の周期は「指定」の場合と変わりませんが、「指定」と「許可」は呼び方も条文も別だということは、法人内の一覧表を作るときに意識しておく必要があります。「指定一覧」というタイトルの表に老健・介護医療院を混ぜてしまうと、根拠条文を確認するときに探す場所を間違えることになります。

更新しなければ、処分を待たずに自動的に効力を失う

ここが実務上いちばん重要な点です。更新を受けなければ、行政から取消しの処分が出るわけではなく、期間の経過によって自動的に効力を失います。介護保険法第70条の2第1項は次のとおりです。

第四十一条第一項本文の指定は、六年ごとにその更新を受けなければ、その期間の経過によって、その効力を失う。

障害者総合支援法第41条第1項も、対象となる指定の名称が違うだけで、構造は同じです。

第二十九条第一項の指定障害福祉サービス事業者及び指定障害者支援施設の指定は、六年ごとにそれらの更新を受けなければ、その期間の経過によって、それらの効力を失う。

児童福祉法第21条の5の16も同様です(児童福祉法の条文は「あつた」「よつて」のように小書きしない表記が原文です)。

第二十一条の五の三第一項の指定は、六年ごとにその更新を受けなければ、その期間の経過によつて、その効力を失う。

いずれの条文も「処分により指定を取り消す」という書き方ではなく、「期間の経過によって、その効力を失う」という自動失効の書き方になっています。つまり、指定権者から何らかの通知が来なかったとしても、更新の期限が過ぎれば指定は失効します。通知を待つ運用ではなく、法人側の責任で有効期間を把握しておく必要があるということが、条文の構造そのものから読み取れます。

申請さえ済ませていれば、処分が出るまで従前の指定は有効

とはいえ、更新の申請さえ期限内に済ませておけば、審査に時間がかかっていることを理由に事業を止める必要はありません。介護保険法第70条の2第2項は、次のように定めています。

前項の更新の申請があった場合において、同項の期間(以下この条において「指定の有効期間」という。)の満了の日までにその申請に対する処分がされないときは、従前の指定は、指定の有効期間の満了後もその処分がされるまでの間は、なおその効力を有する。

更新の申請を有効期間の満了日までに提出していれば、指定権者の処分(更新を認める決定)が満了日を過ぎてから出たとしても、その処分が出るまでの間は従前の指定がそのまま有効に扱われます。これは実務上の安全弁ですが、あくまで「期限内に申請を提出していること」が前提です。申請自体が満了日を過ぎてしまえば、この規定の対象外になります。

更新後の有効期間は「従前の満了日の翌日」から起算される

更新の審査に時間がかかった場合、新しい有効期間はいつから始まるのでしょうか。ここも条文で明確に定められています。介護保険法第70条の2第3項です。

前項の場合において、指定の更新がされたときは、その指定の有効期間は、従前の指定の有効期間の満了の日の翌日から起算するものとする。

更新後の有効期間は、処分が出た日からではなく、従前の指定の有効期間の満了日の翌日から数え直されます。

具体例で考えてみます。ある事業所の指定の有効期間満了日が令和8年3月31日だとします。更新の申請は満了日までに提出したものの、指定権者の処理が混み合い、実際の処分が令和8年5月にずれ込んだとします。この場合でも、新しい有効期間は処分が出た令和8年5月からではなく、「従前の指定の有効期間の満了の日の翌日」である令和8年4月1日から起算されます。次の更新の目安となる満了日も、処分が遅れた分だけ後ろにずれるのではなく、従前どおりの周期で回っていきます。審査にかかった時間の分だけ次回の期限が延びる、という制度ではない点は、複数事業所の台帳を作る際に押さえておきたいポイントです。

地域密着型サービスの公募指定は別扱い

なお、地域密着型サービスの公募指定については、通常の指定の更新規定とは別の定めがあります(介護保険法第78条の15)。公募指定は市町村長が定める6年を超えない範囲の期間で効力を失う仕組みになっており、扱いが通常の指定とは異なります。該当する事業所を運営している法人様は、有効期間の考え方を指定権者である市町村に個別に確認してください。

体制届・変更届とは別の手続き

指定の更新は、加算の算定要件を満たしているかどうかを届け出る体制届とは別の手続きです。体制届は、人員配置や設備といった加算の算定要件を満たしていることを都度届け出るもので、記事41「障害福祉サービスの体制届」で扱っています。一方で指定の更新は、指定そのものの効力を6年ごとに継続させる手続きであり、体制届や変更届とは根拠条文も対象も異なります。どちらも「届出」「申請」という言葉が使われるため混同されがちですが、失効した場合の影響の大きさがまったく違うため、法人内では別の管理項目として扱う必要があります。

また、更新の処分を受けたあとは、契約時にお渡しする重要事項説明書に記載している指定年月日や有効期間の情報も見直しておくと安心です。重要事項説明書の記載事項については、記事39「重要事項説明書」で整理しています。指定に関する情報を日頃から整理しておくことは、記事20「障害福祉サービスの運営指導」で扱っている運営指導への準備にもつながります。

電子申請届出システムでの提出も広がっている

指定の更新申請そのものも、介護分野では電子申請届出システムを通じて行う流れが広がっています。システムの位置づけや対象となる手続きについては、記事66「介護の電子申請届出システム」で整理していますので、あわせてご確認ください。

実務の打ち手は、指定・許可を「1枚の台帳」にして通知を待たないこと

ここまで見てきたとおり、指定の更新は法律をまたいで似た構造を持ちながらも、条文・呼び方(指定/許可)・更新周期の定め方が微妙に異なります。複数の事業所、複数のサービス種別を運営している法人様ほど、この違いを個別の記憶や担当者の頭の中だけで管理するのはリスクが高くなります。

私たちがご支援する法人様には、次の項目を1枚の台帳にまとめることをおすすめしています。

  • 事業所名・サービス種別
  • 区分(指定/許可)と根拠条文
  • 指定(許可)年月日
  • 有効期間の満了日
  • 次回更新に向けた法人内での準備開始時期(社内の管理目安)

最後の「準備開始時期」は、制度上の受付期間ではなく、あくまで法人が自主的に設定する内部管理上のリードタイムです。更新申請の実際の受付期間や必要書類、手数料の有無は指定権者(都道府県・市区町村等)ごとに異なるため、この記事では触れていません。必ず所轄の指定権者が公表している案内で確認してください。そのうえで、たとえば満了日の半年前を目安に法人内で準備に着手する、といったルールを決めておけば、自治体からの通知を待たずに、法人側の主導で更新のタイミングを管理できます。事業所数の多い法人では、指定・許可の数が数十件に及ぶこともあるため、「通知が来たら動く」ではなく「台帳が教えてくれる」状態にしておくことが、失効を防ぐいちばん確実な方法です。

まとめ

  • 介護保険法・障害者総合支援法・児童福祉法には、いずれも同じ構造の「6年ごとの指定更新」規定がある
  • 介護老人保健施設・介護医療院は「指定」ではなく「許可」。条文も第94条の2・第108条と別枠
  • 更新しなければ、処分を待たずに期間の経過によって自動的に効力を失う
  • 満了日までに申請していれば、処分が出るまでは従前の指定がなお有効
  • 更新後の有効期間は、処分日ではなく従前の満了日の翌日から起算される
  • 地域密着型サービスの公募指定は、市町村長が定める期間で失効する別扱い(介護保険法第78条の15)
  • 体制届・変更届、重要事項説明書の記載更新とは別の手続きとして管理する
  • 更新申請の受付期間・必要書類・手数料は指定権者ごとに異なるため、必ず所轄の案内で確認する

参考(一次情報)


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パレットテクノロジーズは、社会福祉法人様のデジタル化を「現地現物」で伴走支援しています。複数の事業所が持つ指定・許可の有効期間を1枚の台帳に集約し、満了日が近づいたら法人内で自動的に気づける状態にしておく。そうした仕組みづくりも、私たちがご支援する内容の一つです。

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