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食事提供体制加算|管理栄養士の関与と摂食量・BMIの記録を通知で確認

「管理栄養士は常勤でなければいけないのか」「献立は誰が、どのくらいの頻度で確認すればよいのか」「摂食量や体重の記録は、毎日つけるのか」。食事提供体制加算は、単位数が小さい加算に見えて、運営指導では要件の記録を一つずつ確かめられやすい加算です。

この記事では、厚生労働省の留意事項通知(令和8年度改定後の新旧対照表)に書かれている範囲だけを使って、次の点を整理します。

  • 管理栄養士等の関与は、常勤・専従が必要か。外部の管理栄養士や委託先でもよいか
  • 献立の確認は、どのくらいの頻度で、どんな形で行えばよいか
  • 摂食量の記録、体重・BMIの記録は、何をどこまで残せばよいか
  • 調理の委託、施設外調理、弁当や出前の扱い
  • 施設入所支援の日と、1日に複数回食事を出した日の扱い
  • サービスごとの単位数

先に断っておくと、加算の対象となる利用者の範囲(低所得かどうかなど)と、グループホームでの扱いは、この記事で確かめた抜粋には書かれていません。この2点は、記事の後半で「確認できていないこと」として分けて書きます。

この記事の前提(見た資料と版)

見たのは次の2つです。

  • 留意事項通知(平成18年10月31日障発第1031001号)の、令和8年度改定時の新旧対照表。「改正後」の列を読みました
  • 報酬算定構造(令和8年度見直し反映版)。単位数は、この資料から加算名の行と単位数の行を機械的に抜き出した結果のうち、サービス名が読み取れる行だけを使いました

どちらも令和8年11月7日時点で取得できた資料です。最終の判断は、自治体への確認と、最新のQ&Aで行ってください。

先に結論

  • 食事提供体制加算は、原則として施設内の調理室で調理し、提供したものについて算定します。調理を含む食事提供の業務を、施設の最終的責任の下で第三者に委託することも差し支えありません。
  • 管理栄養士等は、常勤・専従である必要はありません。法人内や法人外部の管理栄養士等が献立の作成や確認を行っていても可能です。
  • 献立の確認の頻度は、年に1回以上です。
  • 摂食量は、食事を提供した日について必ず記録します。目視や自己申告による方法も可能です。
  • おおむねの身長が分かっていればBMIの記録が必要です。身長が測れない・不明な人は、体重のみの記録で足ります。
  • 出前や市販の弁当を購入して提供する方法は、加算の対象になりません。施設入所支援を利用している日は算定できません。
  • 1日に複数回食事を出しても、複数回分の算定はできません。

対象サービスと単位数

単位数(報酬算定構造から確認できたもの)

報酬算定構造の読み取りで、サービス名と単位数が対応して読めたものを表にします。単位数は、1日につき加算される単位です。

サービス区分単位数
生活介護サービス費食事提供体制加算1日につき30単位
機能訓練サービス費食事提供体制加算1日につき30単位
生活訓練サービス費食事提供体制加算(Ⅰ)1日につき48単位
生活訓練サービス費食事提供体制加算(Ⅱ)1日につき30単位
宿泊型自立訓練サービス費食事提供体制加算(Ⅰ)1日につき48単位
就労移行支援サービス費食事提供体制加算1日につき30単位
就労移行支援(養成)サービス費食事提供体制加算1日につき30単位
就労継続支援A型サービス費食事提供体制加算1日につき30単位
就労継続支援B型サービス費食事提供体制加算1日につき30単位
就労選択支援サービス費食事提供体制加算1日につき30単位

(Ⅰ)と(Ⅱ)に分かれているのは、この表では生活訓練サービス費です。宿泊型自立訓練サービス費は(Ⅰ)の行だけが読み取れました。(Ⅱ)の有無はこの記事の抜粋からは決まりません。

短期入所のように、読み取りの行が別のサービスにまたがる可能性があって使えなかったものは、この表に入れていません。この表にないサービスの単位数は、報酬算定構造の該当ページで確かめてください。生活介護の加算の全体は、生活介護の加算一覧の記事に整理があります。この記事は、サービスを問わず共通する留意事項の読み方を深掘りします。

(Ⅰ)と(Ⅱ)の区分

(Ⅰ)と(Ⅱ)がある側の章には、区分の中身が書かれています。

報酬告示第11の7のイの食事提供体制加算(Ⅰ)については、短期滞在加算が算定される者及び指定宿泊型自立訓練の利用者について算定するものである。

報酬告示第11の7のロの食事提供体制加算(Ⅱ)については、食事提供体制加算(Ⅰ)が算定される者以外の者について算定するものであること。

つまり、(Ⅰ)は短期滞在加算が算定される人と宿泊型自立訓練の利用者、(Ⅱ)はそれ以外の人、という分け方です。この章は、1日に複数回食事を出した場合の同じ取扱いも書いています。

留意事項は、1つの規定を準用している

食事提供体制加算の取扱いは、サービスごとの章に分かれて書かれています。最初に詳しく書かれているのは1か所(2の⑹の⑭)で、ほかの章は次のようにその規定を準用しています。

報酬告示第10の6の食事提供体制加算については、2の⑹の⑭の規定を準用する。

「報酬告示第11の2の5」「第12の7」「第13の7」「第14の7」の各章も、同じく「2の⑹の⑭の規定を準用する」としていました。次の節からの要件は、この⑭が出発点です。どの報酬告示の条がどのサービスに当たるかは、この記事の抜粋には書かれていません。自分の事業所のサービスの章は、通知の目次で確認してください。また、準用先の報酬告示にも、後で出てくる注の⑴から⑶が同じ形で置かれているかは、今回確かめていません。

算定要件① 調理方法と、弁当・出前の扱い

通知の最初の章(⑭)は、まず調理の方法から始まります。

報酬告示第6の10の食事提供体制加算については、原則として当該施設内の調理室を使用して調理し、提供されたものについて算定するものであるが、食事の提供に関する業務を当該施設の最終的責任の下で第三者に委託することは差し支えない。

原則は施設内の調理室での調理、例外ではなく「差し支えない」と書かれているのが委託です。条件は「施設の最終的責任の下で」です。調理や配膳を業者に任せること自体は認められていますが、食事の提供の最終責任は施設にあります。この「最終的責任」を契約や運用でどう示すかは、通知には書かれていません。

施設の外で調理したものについては、次のように書かれています。

なお、施設外で調理されたものを提供する場合(クックチル、クックフリーズ若しくは真空調理(真空パック)により調理を行う過程において急速に冷却若しくは冷凍したものを再度加熱して提供するもの又はクックサーブにより提供するものに限る。)、運搬手段等について衛生上適切な措置がなされているものについては、施設外で調理し搬入する方法も認められるものである。

条件内容
調理の方法クックチル、クックフリーズ、真空調理(再加熱して提供)、クックサーブに限る
運搬運搬手段等について衛生上適切な措置がなされている

括弧の中の「限る」があるので、施設外で調理されたものなら何でもよいわけではありません。「衛生上適切な措置」の具体的な内容(温度、容器、運搬時間など)は、抜粋には書かれていません。

そのうえで、対象にならない方法が書かれています。

この場合、例えば出前の方法や市販の弁当を購入して、利用者に提供するような方法は加算の対象とはならないものである。

「近くの業者から弁当を届けてもらう」場合に分かれ目になるのは、それが施設の最終的責任の下で委託された食事の提供なのか、市販の弁当や出前を購入して提供するものなのかです。通知は、その線引きの具体例までは書いていません。迷うときは、委託契約の内容を示して自治体に確認するのが確実です。

算定要件② 管理栄養士等の関与と献立の確認

令和6年度の改定で加わった要件が、管理栄養士等の関与です。通知は、注の⑴について次のように書いています。

管理栄養士又は栄養士(以下「管理栄養士等」という。)については、常勤・専従である必要はない。また、事業所において管理栄養士等を直接雇用していることが望ましいが、直接雇用することが困難な場合には、法人内や法人外部(公益社団法人日本栄養士会若しくは都道府県栄養士会が設置し、運営する栄養ケア・ステーション又は保健所等)の管理栄養士等が献立の作成や確認を行っている場合でも可能とする。

読み取れるのは次の3つです。

  1. 管理栄養士だけでなく、栄養士も含めて「管理栄養士等」
  2. 常勤・専従は不要
  3. 直接雇用が望ましいが、難しければ、法人内や法人外部(栄養ケア・ステーション、保健所等)の管理栄養士等が献立の作成や確認を行ってもよい

調理を外部に委託している場合は、次のとおりです。

また、外部に調理業務を委託している場合には、その委託先において管理栄養士等が献立作成や確認に関わっていれば良いものとする。

委託先の管理栄養士等が献立に関わっていれば足ります。外部委託で食事を出している事業所は、委託先に管理栄養士等がいて、献立の作成や確認に関わっているかを、契約や業者への確認で押さえておく必要があります。

献立の確認の仕方と頻度は、次のとおりです。

献立の確認については、献立の作成時から関わることが望ましいが、作成された献立表等により、献立の内容を管理栄養士等が確認した場合についても要件を満たすものとする。

また、献立の確認の頻度については、年に1回以上は行うこと。

作成から関わるのが望ましいとされながらも、できあがった献立表を管理栄養士等が確認する形でも要件を満たす。頻度は年に1回以上です。何をもって「確認した」とするか(署名か、メモか、など)の様式は、通知には書かれていません。

管理栄養士等を配置しない場合の経過措置も書かれています。

なお、指定生活介護事業所等が食事の提供を行う場合であって、管理栄養士等を配置しないときは、従来から献立の内容、栄養価の算定及び調理方法について保健所等の指導を受けるよう努めなければならないこととしているが、今回、新たに要件を課すことから、令和6年9月30日まで管理栄養士等が献立の内容を確認してない場合においても加算を算定して差し支えないこととする。

これは令和6年9月30日までの猶予です。令和8年11月の時点では、この猶予は過ぎています。経過措置の対象としてそのまま使える状況ではないと読むのが自然ですが、自治体の運用は、各自治体にご確認ください。

算定要件③ 摂食量の記録

注の⑵は、摂食量の記録です。

摂食量の記録に当たっては、目視や自己申告等による方法も可能とする。なお、今後の食事の提供や、支援の方向性に関連するものであるため、できるだけ正確な記録が良いと考えられるが、負担とのバランスを考慮する必要があることに留意すること。

厳密な計量までは求められていません。目視や自己申告でも可能です。ただし、記録は食事や支援の方向性につながるものなので、「できるだけ正確」であることと「負担とのバランス」の両方が書かれています。

記載の仕方と頻度は次のとおりです。

摂食量の記録は、例えば、「完食」、「全体の1/2」、「全体の○割」などといったように記載すること。

摂食量の記録は、提供した日については必ず記録すること。

食事を提供した日は、必ず記録する。「完食」「全体の1/2」「全体の○割」のような書き方で足ります。

算定要件④ 体重・BMIの記録

注の⑶は、体重とBMIの記録です。

おおむねの身長が分かっている場合には、必ずBMIの記録を行うこと。身体障害者等で身長の測定が困難であり、これまで身長を計測したことがない者、または身長が不明な者については、体重のみの記録で要件を満たすものとする。

利用者の状況記録するもの
おおむねの身長が分かるBMI(必ず)
身長の測定が困難で、計測したことがない・不明体重のみ

体重を知られたくない方への対応も書かれています。

また、利用者自身の意向により、体重を知られたくない場合については、例外的に(3)を把握せずとも要件を満たすこととして差し支えない。その場合、個別支援記録等において意向の確認を行った旨を記録しなければならない。

例外として体重を把握しなくてもよい場合があります。ただし、意向を確認したことを、個別支援記録等に残すことが条件です。体重やBMIをどのくらいの頻度で測るかは、この抜粋には書かれていません。最後に、個人情報の扱いです。

なお、体重などは個人情報であることから、個人情報の管理は徹底すること。

体重の記録は個人情報として、保管や閲覧の範囲を決めておくことになります。

施設入所支援の日と、複数回の食事

施設入所支援の日の扱いは、最初の章(⑭)に次のとおり書かれています。

また、利用者が施設入所支援を利用している日については、補足給付が支給されていることから、この加算は算定できないものであることに留意すること。

施設入所支援を利用している日は、補足給付が支給されているため算定できません。日中活動と施設入所支援を併せて使う利用者がいる事業所は、利用日ごとに入所支援の利用の有無が分かる記録が必要です。

複数回の提供については、報酬告示第7の8に当たる章に、次のとおり書かれています。

なお、1日に複数回食事の提供をした場合(複数の隣接事業所等において食事の提供をした場合を含む。)の取扱いについては、当該加算がその食事を提供する体制に係るものであることから、複数回分の算定はできない。ただし、食材料費については、複数食分を利用者から徴収して差し支えないものである。

加算は食事を提供する体制に係るものなので、1日に複数回出しても算定は1日分です。複数の隣接事業所等で食事を出した場合も同じです。食材料費は複数食分を徴収して差し支えない、と切り分けられています。この記事の抜粋では、別の章にも同じ文言があることは確認できましたが、全サービスの章に同じ文言があるかは確かめていません。自分のサービスの章で確認してください。

仮の計算例

仮の数字で、1か月の算定を確かめます。実際の請求額ではありません。

  • 生活介護で食事提供体制加算(30単位)を算定する利用者が、月20日、昼食を利用した(仮の数字)
  • 加算は30単位 × 20日 = 600単位
  • ある日に昼食と夕食の2回を出していても、その日の加算は30単位のまま(複数回分の算定はできないため)

単位数の円への換算は、この記事では扱いません。

届出と算定開始

この記事で確かめた抜粋には、食事提供体制加算の届出の要否、提出先、提出の時期についての記述が入っていません。届出が必要かどうか、どの時点から算定できるかは、サービスごとの体制届の取扱いで確認してください。一般的な流れは、体制届の記事で整理しています。

記録として残すもの

通知の文言から、記録として言えるのは次のとおりです。

記録通知の文言から言えること
摂食量食事を提供した日は必ず。「完食」などの書き方で可
体重・BMI身長が分かればBMI、不明なら体重のみ
体重を把握しない場合個別支援記録等に意向の確認を行った旨を記録
献立の確認管理栄養士等が年に1回以上。様式は書かれていない

献立の確認の記録に何を残すかは通知にありません。次の節は、弊社の整理です。

日々の記録・台帳でどう満たすか(弊社の整理)

以下は、通知の文言から導いた弊社の整理です。通知が様式を指定しているわけではありません。

確かめること残しておくとよいもの
提供方法施設内調理か、委託か、施設外調理かの区分と契約書
管理栄養士等の関与誰が(所属・資格)、いつ、どの献立表を確認したかの記録
委託先の関与委託先の管理栄養士等が献立に関わっていることが分かる資料
摂食量・体重・BMI利用日ごとの記録。体重を把握しない人は意向確認の記録
入所支援・複数回利用日ごとの入所支援の有無と、1日の提供回数

運営指導では、加算の算定日と、利用日ごとの摂食量・体重の記録が合っているかを見られると考えるのが無難です。毎日の記録を、個別支援記録と同じ台帳で持つと、後からの確認が楽になります。支援の見直しとのつながりは、個別支援計画のモニタリングの記事も参考になります。

算定できない場合・よくある誤り

通知の文言から算定できないと言えるのは次の3つです。

  • 出前や市販の弁当を購入して提供する方法(加算の対象とはならない)
  • 施設入所支援を利用している日(算定できない)
  • 1日に複数回食事を提供した場合の、2回目以降の分(複数回分の算定はできない)

誤りが起きやすいのは次のような場面です。ここは弊社の整理です。

  1. 委託している弁当が市販品に当たらないか、確かめていない。委託契約と、施設の最終的責任の下にあるかを押さえる
  2. 委託先の管理栄養士等が献立に関わっているか、確かめていない。契約だけで安心している
  3. 献立の確認が年に1回以上に届いていない。確認した日付の記録がない
  4. 摂食量の記録が、提供した日で抜けている。休みの日と取り違えて空欄になっている
  5. 身長が分かるのに体重だけ記録している。BMIの記録が必要
  6. 入所支援を併用する日に算定している。請求側と記録側で利用日が別々に管理されている

確認できていないこと

論点この記事での扱い
対象となる利用者の範囲(低所得かどうか等)抜粋には書かれていない
グループホームでの扱いと単位数抜粋には書かれていない
注の⑴〜⑶の告示の本文通知の解説は読んだが、告示本文は未確認
準用先の告示にも注⑴〜⑶があるか未確認
体重・BMIを測る頻度書かれていない
「最終的責任」「衛生上適切な措置」の具体的内容書かれていない
届出の要否と時期抜粋には書かれていない
通知の最新版・最新のQ&A未確認

対象者の範囲とグループホームについては、報酬告示の注の本文と、グループホームの章の通知で確かめてください。

まとめ

  • 食事提供体制加算は、原則として施設内の調理室で調理し、提供したものについて算定する。業務の委託は、施設の最終的責任の下であれば差し支えない
  • 施設外で調理したものは、クックチル・クックフリーズ・真空調理(再加熱)・クックサーブに限り、運搬の衛生措置があれば認められる。出前や市販の弁当は対象外
  • 管理栄養士等は常勤・専従不要。法人内外の管理栄養士等や、委託先の管理栄養士等の関与でもよい。献立の確認は年に1回以上
  • 摂食量は提供した日に必ず記録。目視や自己申告でも可
  • 身長が分かればBMI、不明なら体重のみを記録。体重を知られたくない人は、意向の確認を個別支援記録等に残す
  • 施設入所支援の日は算定できない。1日に複数回提供しても複数回分の算定はできない
  • 単位数は、表のサービスについて30単位、または生活訓練サービス費(Ⅰ)と宿泊型自立訓練サービス費(Ⅰ)の48単位
  • 対象者の範囲、グループホームでの扱いは、この記事の抜粋では確認できていない

参考にした一次情報

留意事項の引用は、令和8年11月7日に取得した新旧対照表の「改正後」の列によります。単位数は、報酬算定構造の表から加算名と単位数の行を機械的に読み取った結果のうち、サービス名が確認できたものだけを載せています。本記事は通知の文言を整理したもので、個別の事業所の算定の可否を判断するものではありません。具体的な判断は、自治体にご確認ください。


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阪本翔太

阪本翔太

奈良県の中小企業診断士 & ITストラテジスト。 公的機関や大学などで講師もしています。 地方でがんばる人をITで後押ししたい。

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