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認定の有効期間|48か月になるのは同じ区分で更新を受けたときだけ

「要介護認定の有効期間」と調べると、自治体のページが並びます。そして、どれも「新規は原則6か月、更新は原則12か月、最長で48か月」といった一覧表を載せています。

けれども、ケアマネジャーや事務担当者が本当に知りたいのは、次のことではないでしょうか。

  • 有効期間は、誰が、どの決まりで決めているのか
  • 「最長48か月」は、更新すれば誰にでも付くのか
  • 更新後の期間は、いつから数え始めるのか

先に結論を書きます。有効期間の数字は、介護保険法の条文には書かれていません。 法は「厚生労働省令で定める期間」と省令に任せていて、数字は省令(介護保険法施行規則)に置かれています。さらに、更新のときは別の条が数字を読み替える二段構えで、48か月に届くのは、更新後の要介護状態区分が、それまで受けていた区分と同じ場合だけです。

この記事では、次の3つの条文を読みます。

  • 介護保険法(以下「法」)
  • 介護保険法施行規則(以下「規則」)
  • 指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準(平成11年厚生省令第38号。以下「省令38号」)

自治体の一覧表では見えない、条文の組み立てを整理します。

有効期間は法律ではなく省令が決めている

まず、法第28条第1項です。

要介護認定は、要介護状態区分に応じて厚生労働省令で定める期間(以下この条において「有効期間」という。)内に限り、その効力を有する。

ここには、「有効期間」という言葉の定義はあっても、何か月かという数字はありません。読み取れるのは次の2点です。

  • 認定は、有効期間の内に限り効力を持つ(期間が過ぎれば効力は残らない)
  • 期間の長さは「要介護状態区分に応じて」「厚生労働省令で定める」

つまり、数字を決めているのは法ではなく省令です。「有効期間 誰が決める」と調べている方への答えは、法が省令に委任し、数字は規則が定めている、となります。そして、実際に認定の期間を定めるのは、規則が市町村に与えた範囲の中での市町村の判断です(次の節で見ます)。

新規の認定:規則第38条の原則

規則第38条の第1項は、有効期間を2つの期間の足し算として定めています。

法第二十八条第一項の厚生労働省令で定める期間(以下「要介護認定有効期間」という。)は、第一号に掲げる期間と第二号に掲げる期間を合算して得た期間とする。

足し算の中身は、次の2つです。

号期間条文の言い方
第一号効力を生じた月の残り要介護認定が効力を生じた日から当該日が属する月の末日までの期間
第二号月単位の本体部分六月間(特に必要と認める場合は三月間から十二月間までの範囲)

第二号の本体部分は、次のように書かれています。

六月間(市町村が認定審査会の意見に基づき特に必要と認める場合にあっては、三月間から十二月間までの範囲内で月を単位として市町村が定める期間(六月間を除く。))

原則は六月間で、市町村が認定審査会の意見に基づき「特に必要と認める場合」には、三月間から十二月間までの範囲で市町村が定める、という書きぶりです。

また、第一号の「月の末日までの期間」は、効力を生じた日が月の途中のときに足されます。第2項は、効力を生じた日が月の初日なら第二号の期間だけでよい、と書いています。

要介護認定が効力を生じた日が月の初日である場合にあっては、前項の規定にかかわらず、同項第二号の期間を要介護認定有効期間とする。

条文の組み立てどおりに当てはめた計算例を挙げます。効力を生じた日が4月15日なら、4月30日までの期間に六月間を加えて、10月31日まで、という読み方になります。実際の期間は、市町村の通知書で確認してください。

更新のときだけ数字が読み替わる:規則第41条第2項

ここからが、一覧表だけを見ていると分からない部分です。更新の認定には、規則第38条がそのまま使われるのではありません。規則第41条第2項が、第38条を準用しています。

第三十八条の規定は、法第二十八条第十項において同条第一項の規定を準用する場合について準用する。

「法第28条第10項において同条第1項の規定を準用する場合」とは、要介護更新認定のことです。法第28条第10項は、更新の認定について第1項の規定を準用し、その際に文言を読み替えています。

第一項の規定は、要介護更新認定について準用する。

この場合において、同項中「厚生労働省令で定める期間」とあるのは、「有効期間の満了日の翌日から厚生労働省令で定める期間」と読み替えるものとする。

この読替えは、「いつから数えるか」の話なので、後の節で取り上げます。数字の話に戻ります。規則第41条第2項は、準用の際に、第38条第1項第二号の数字を次のとおり読み替えます。

この場合において、第三十八条第一項第二号中「六月間」とあるのは「十二月間」と、「十二月間」とあるのは「三十六月間(要介護更新認定に係る要介護状態区分が現に受けている要介護認定に係る要介護状態区分(当該被保険者が法第二十八条第三項の規定により申請を行う場合にあっては、当該被保険者が当該申請の直前に受けていた要介護認定に係る要介護状態区分)と同一である場合にあっては、四十八月間)」と読み替えるものとする。

長い条文ですが、読み替えの結果を新規の場合と並べると、次のようになります。

比べる点新規の認定(規則第38条)更新の認定(規則第41条第2項による読替え)
原則の期間六月間十二月間
特に必要と認める場合の範囲三月間から十二月間まで三月間から三十六月間まで(※)
範囲の上限が延びる条件なし更新後の要介護状態区分が、それまでの区分と同一なら、上限は四十八月間

※ 第38条第1項第二号のかっこ書きにある「十二月間」が「三十六月間(…四十八月間)」に読み替えられるので、上限がその数字になる、という機械的な読み方です。

ここで大事なのは、48か月は「同一である場合にあっては」という条件付きだという点です。

  • 更新後の区分が、それまでの区分と同じ:上限は48か月
  • 更新後の区分が、それまでの区分と違う:上限は36か月

「更新すれば最長48か月」ではなく、区分が変わらなかったときだけ、上限が48か月まで延びます。また、これは上限であって、「原則」は読み替え後も十二月間です。何か月にするかは、条文の上では市町村が認定審査会の意見に基づき「特に必要と認める場合」に定める形で書かれています。

かっこ書きの後半は、法第28条第3項の申請(災害などで有効期間の満了前に申請できなかった場合。後の節で見ます)のときは、直前に受けていた要介護認定の区分と同一かどうかを見る、と定めています。

なお、規則第38条第3項には、別の読替えも置かれています。要支援の更新認定の申請が、要介護認定の申請とみなされた場合の規定です。

第一項第二号中「六月間」とあるのは「十二月間」と、「十二月間」とあるのは「三十六月間」と読み替えるものとする。

こちらには、「四十八月間」のかっこ書きがありません。同じ「更新」でも、条によって読み替えの中身が違うので、一覧表の「最長48か月」だけで覚えないようにしてください。

要支援側は別の条に、同じ構造が置かれている

要支援認定の有効期間は、要介護とは別の条に書かれています。規則第52条です。

法第三十三条第一項の厚生労働省令で定める期間(以下「要支援認定有効期間」という。)は、第一号に掲げる期間と第二号に掲げる期間を合算して得た期間とする。

第一号(効力を生じた月の残り)と第二号(六月間、特に必要な場合は三月間から十二月間まで)の組み立ては、第38条と同じです。更新の読替えも、第55条第2項が同じ形で置いています。

第五十二条第一項第二号中「六月間」とあるのは「十二月間」と、「十二月間」とあるのは「三十六月間(要支援更新認定に係る要支援状態区分が現に受けている要支援認定に係る要支援状態区分(当該被保険者が法第三十三条第三項の規定により申請を行う場合にあっては、当該被保険者が当該申請の直前に受けていた要支援認定に係る要支援状態区分)と同一である場合にあっては、四十八月間)」と読み替えるものとする。

つまり、要支援側でも、同じ要支援状態区分のときだけ48か月、という構造は同じです。ただし条番号が違う(要介護は第38条・第41条第2項、要支援は第52条・第55条第2項)ので、条文を確かめるときは、自分が見ている認定がどちらなのかを先に確認してください。

いつから数えるか:法第28条第10項と第9項

更新後の有効期間は、いつから始まるのでしょうか。先ほど引用した法第28条第10項の読替えが答えです。更新の認定では、第1項の「厚生労働省令で定める期間」が、「有効期間の満了日の翌日から厚生労働省令で定める期間」と読み替えられます。

つまり、更新後の期間は、従前の有効期間の満了日の翌日から数えます。

ここで、新規の認定との違いに気づきます。新規の認定は、法第27条第8項が「申請のあった日にさかのぼってその効力を生ずる」と書いています。

要介護認定は、その申請のあった日にさかのぼってその効力を生ずる。

一方、更新の認定について、法第28条第4項は、第27条を準用するときに「第八項を除く」と書いています。

前条(第八項を除く。)の規定は、前二項の申請及び当該申請に係る要介護更新認定について準用する。

更新の認定は、第27条第8項(申請日にさかのぼる)が準用から外れ、代わりに第10項の読替えで、満了日の翌日が起算点になる形です。

条文の組み立てから、もう1つ読めることがあります。新規の有効期間は「月の末日までの期間」に月単位の期間を足すので、満了日はたいてい月の末日になります。すると、その翌日は月の初日です。規則第38条第2項は、効力を生じた日が月の初日ならば第二号の期間だけを有効期間とする、と書いていました。そのため、更新後の期間は、月の端数を足さない形になると読めます。ただし、実際の計算は市町村の通知書で確認してください。

期間内に申請できなかった場合:第3項と第9項

法第28条第3項は、災害その他やむを得ない理由で、満了前に更新の申請ができなかった場合の特例です。

前項の申請をすることができる被保険者が、災害その他やむを得ない理由により当該申請に係る要介護認定の有効期間の満了前に当該申請をすることができなかったときは、当該被保険者は、その理由のやんだ日から一月以内に限り、要介護更新認定の申請をすることができる。

そして、この申請による更新認定の効力は、第9項が定めています。

第三項の申請に係る要介護更新認定は、当該申請に係る要介護認定の有効期間の満了日の翌日にさかのぼってその効力を生ずる。

満了日の翌日にさかのぼるので、遅れた申請でも、有効期間に空白は生じません。ただし、この特例は、やむを得ない理由があるときに限られています。「うっかり遅れた」場合が含まれるかどうかは、条文には書かれていません。

なお、指定の更新の期間も、従前の満了日の翌日から数える形で書かれています。介護・障がい福祉の事業所の指定更新については、介護・障がい福祉の指定更新の記事で整理しています。人の認定と事業所の指定は別の制度ですが、「更新後の期間は、従前の満了日の翌日から」という考え方は共通しています。

区分変更の認定:法第29条

有効期間の途中で、心身の状態が変わることもあります。法第29条第1項は、要介護認定を受けた被保険者の側からの申請を認めています。

要介護認定を受けた被保険者は、その介護の必要の程度が現に受けている要介護認定に係る要介護状態区分以外の要介護状態区分に該当すると認めるときは、厚生労働省令で定めるところにより、市町村に対し、要介護状態区分の変更の認定の申請をすることができる。

つまり、「区分変更」は、有効期間の満了を待たずに、区分の見直しを求める仕組みです。

法第30条第1項は、市町村の側からの変更を定めています。介護の必要の程度が低下したと認めるときは、市町村が区分の変更の認定をすることができる、という内容です。

市町村は、要介護認定を受けた被保険者について、その介護の必要の程度が低下したことにより当該要介護認定に係る要介護状態区分以外の要介護状態区分に該当するに至ったと認めるときは、要介護状態区分の変更の認定をすることができる。

では、区分変更の後の有効期間は、どう決まるのでしょうか。今回読んだ条文からは、これは分かりません。 法第29条第2項は、第27条と第28条第5項から第8項までを準用していて、有効期間を定めた第28条第1項は、準用の対象に挙がっていません。また、準用の際の「技術的読替え」は政令で定めると書かれていますが、その政令は今回読んでいません。区分変更の後の有効期間は、市町村の通知書でご確認ください。

事業所側の義務:省令38号第8条第3項の「30日前」

ここまでは、被保険者と市町村の話でした。居宅介護支援事業所(ケアマネ事業所)には、有効期間に関する、別の省令の義務があります。まず、第7条です。

その者の提示する被保険者証によって、被保険者資格、要介護認定の有無及び要介護認定の有効期間を確かめるものとする。

そして、更新の申請に関する援助が、第8条にあります。第2項は、まだ申請していない利用申込者への援助です。

指定居宅介護支援事業者は、指定居宅介護支援の提供の開始に際し、要介護認定を受けていない利用申込者については、要介護認定の申請が既に行われているかどうかを確認し、申請が行われていない場合は、当該利用申込者の意思を踏まえて速やかに当該申請が行われるよう必要な援助を行わなければならない。

第3項が、更新の申請に関する義務です。

指定居宅介護支援事業者は、要介護認定の更新の申請が、遅くとも当該利用者が受けている要介護認定の有効期間の満了日の三十日前には行われるよう、必要な援助を行わなければならない。

ここで、条文の言い方を確認します。

  • 義務を負うのは「指定居宅介護支援事業者」
  • 求められているのは「必要な援助」(申請を代わって行うことまでは書かれていない)
  • 時期は「遅くとも…満了日の三十日前には」

つまり、更新の申請が満了日の30日前までに行われるよう、利用者の更新時期を事業所の側で把握しておくことが、この条文から必要になります。たとえば、利用者ごとに有効期間の満了日を一覧にして、30日前の日付を横に置いておくといった管理が、条文の要請に沿った運用です(一覧の形は条文が指定しているものではなく、運用上の工夫です)。

認定が変わった後にやること:省令38号第13条第十五号

更新や区分変更の認定を受けた後の実務は、第13条第十五号が定めています。

介護支援専門員は、次に掲げる場合においては、サービス担当者会議の開催により、居宅サービス計画の変更の必要性について、担当者から、専門的な見地からの意見を求めるものとする。

「次に掲げる場合」は、2つあります。

  • イ:要介護認定を受けている利用者が法第28条第2項に規定する要介護更新認定を受けた場合
  • ロ:要介護認定を受けている利用者が法第29条第1項に規定する要介護状態区分の変更の認定を受けた場合

イは「要介護更新認定を受けた場合」と書かれていて、区分が変わったかどうかは条件にされていません。区分が同じままの更新でも、サービス担当者会議の対象になります。

ただし書きもあります。

ただし、やむを得ない理由がある場合については、担当者に対する照会等により意見を求めることができるものとする。

つまり、会議の開催が原則で、やむを得ない理由がある場合に限り、担当者への照会等で足ります。「やむを得ない理由」にあたる具体例は、この条文には書かれていません。

条文に書かれていないこと

ここまで読んだ条文には、次の内容は書かれていません。

  • 「満了の60日前から申請を受け付ける」という時期:今回読んだ条文に「六十日」という語は1回も出てきません。申請をいつから受け付けるかは、自治体の運用として案内されているものです。所管の市町村の案内で確認してください。
  • 認定審査会が個別に期間を短くする運用の細部:規則第38条は、市町村が認定審査会の意見に基づき「特に必要と認める場合」に、三月間から十二月間までの範囲で期間を定められると書いています。どんな場合に短くするのかは、条文には書かれていません。
  • 区分変更の後の有効期間:前の節のとおりです。

条文で決まっていることと、自治体の運用で決まっていることを分けておくと、「なぜ自治体によって案内が違うのか」が整理しやすくなります。

まとめ

  • 有効期間の数字は法に書かれていない。法第28条第1項が「要介護状態区分に応じて厚生労働省令で定める期間」と省令に委任し、数字は規則が定めている
  • 新規の認定は規則第38条。「効力を生じた日が属する月の末日までの期間」に、原則「六月間」を足す。特に必要と認める場合は、三月間から十二月間までの範囲で市町村が定める
  • 更新の認定は、規則第41条第2項が第38条を準用し、「六月間」を「十二月間」に、「十二月間」を「三十六月間」に読み替える
  • 「四十八月間」は、更新後の要介護状態区分が、それまで受けていた区分と同一の場合だけ。違う区分なら上限は三十六月間
  • 要支援側は規則第52条・第55条第2項に、同じ構造が別に置かれている
  • 更新後の期間は、法第28条第10項の読替えにより「有効期間の満了日の翌日から」。法第28条第9項は、災害その他やむを得ない理由で遅れた第3項の申請を、満了日の翌日にさかのぼって効力を生ずるとしている
  • 区分変更は法第29条(被保険者からの申請)と第30条(市町村による低下の場合の変更)。変更後の有効期間は、今回読んだ条文からは分からない
  • ケアマネ事業所は、省令38号第8条第3項により、更新の申請が遅くとも満了日の30日前までに行われるよう必要な援助を行う。更新・区分変更の認定を受けた後は、第13条第十五号により、サービス担当者会議で計画変更の必要性について意見を求める(やむを得ない理由があれば照会等)
  • 「60日前から申請できる」という受付開始の時期は、条文には書かれていない。所管の市町村の案内で確認する

参考(一次情報)

本記事は法令の条文の構造を整理したもので、個別の認定や事業所の運営判断を示すものではありません。申請の受付開始の時期、認定審査会が期間を定める運用、区分変更後の有効期間などは、所管の市町村の最新の案内と通知をご確認ください。


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