計画相談支援のモニタリングは、何か月ごとに行えばよいのか。相談支援事業所を運営している社会福祉法人では、法人本部が事業所の運営状況を点検するときや、担当する利用者が増えて管理の方法を見直すときに、この疑問が出てきやすいところです。
「標準は何か月」といった言い方を耳にすることもあります。ところが、条文を順にたどると、期間は事業所が決めるものでも、法律が一律に決めているものでもありません。法律は期間を省令に委ね、省令は「市町村が必要と認める期間」と書いています。
この記事では、障害者総合支援法(以下「総合支援法」)、同法施行規則(以下「施行規則」)、指定計画相談支援の事業の人員及び運営に関する基準(以下「計画相談支援基準」)の3つを順に読み、期間・方法・記録の3点を整理します。条文から決まることと、決まらないことは分けて書きます。
なお、2つの計画(サービス等利用計画と個別支援計画)の違いと作成の順序は、サービス等利用計画と個別支援計画の記事で扱っています。この記事は、計画相談支援のモニタリングの期間・方法・記録に絞ります。
先に結論
- モニタリングは、総合支援法第5条第24項の「継続サービス利用支援」にあたります。期間は「主務省令で定める期間ごと」とされ、数字は法律には書かれていません。
- 主務省令にあたる施行規則第6条の16は、期間を「市町村が必要と認める期間」と定めています。期間を決める主体は市町村です。
- 「標準期間」という語は、この記事のために取得した法・施行規則・計画相談支援基準の本則に出てきません。一月間・三月間・六月間は、市町村が期間を定めるときに「勘案」する材料として、施行規則の各号に書かれています。
- 計画相談支援基準第15条第2項第8号は、サービス等利用計画案に「主務省令で定める期間に係る提案」を記載するよう求めています。相談支援専門員は、期間を提案する立場です。
- 定められた期間ごとに、相談支援専門員は利用者の居宅等を訪問して面接し、結果を記録します(同第15条第3項第2号)。テレビ電話装置等での面接は、第15条の2の2つの要件をいずれも満たす場合に限られます。
- モニタリングの結果の記録は、相談支援台帳の一部として、提供した日から五年間保存します(同第30条第2項)。
3つの規定の役割分担
モニタリングの期間・方法・記録は、1つの条文にまとまっているわけではありません。まず、どの規定が何を受け持っているかを整理します。
| 規定 | 受け持つこと | 書かれていないこと |
|---|---|---|
| 総合支援法 第5条第24項 | モニタリングの定義と、期間を省令に委ねること | 期間の長さ |
| 施行規則 第6条の16 | 期間を市町村が定めること、勘案する事項 | 具体的な月数の決定そのもの |
| 計画相談支援基準 第15条・第15条の2・第30条 | 提案・訪問と面接・記録・保存 | 市町村が期間を定める手続き |
総合支援法が枠を作り、施行規則が期間の決め方を定め、計画相談支援基準が事業者の側の動き方を定める、という三層になっています。以降は、この順に読みます。
総合支援法 第5条第24項:モニタリングの正体は「継続サービス利用支援」
法律には「モニタリング」という言葉は出てきません。法律の側の名前は「継続サービス利用支援」です。第5条第24項の前半を引用します。
当該支給決定障害者等又は地域相談支援給付決定障害者に係るサービス等利用計画(この項の規定により変更されたものを含む。以下同じ。)が適切であるかどうかにつき、主務省令で定める期間ごとに、当該支給決定障害者等の障害福祉サービス又は当該地域相談支援給付決定障害者の地域相談支援の利用状況を検証し、
この引用は条文の途中からです。引用の前には、支給決定を受けた障害者等が、支給決定の有効期間内において継続して障害福祉サービス等を適切に利用できるよう、という趣旨の文言が置かれています。
読み取れることは、次の4点です。
- 検証の対象は、サービス等利用計画が適切かどうか、です。利用者本人の状態の評価だけが目的ではなく、計画の適否を確かめることが出発点に置かれています。
- 確かめる方法は、障害福祉サービス等の「利用状況を検証」することです。
- 検証は「主務省令で定める期間ごと」に行います。条文に月数は書かれておらず、期間は主務省令に委任されています。
- 検証の結果と、利用者の心身の状況、置かれている環境、利用に関する意向その他の事情を勘案して、サービス等利用計画の見直しを行います。
条文の最後は、見直しの結果に基づいて「次のいずれかの便宜の供与を行う」とし、2つを挙げています。1つは、サービス等利用計画を変更するとともに、関係者との連絡調整その他の便宜の供与を行うこと。もう1つは、新たな支給決定や支給決定の変更の決定が必要であると認められる場合に、申請の勧奨を行うことです。
つまり、法律上のモニタリングは「期間ごとに計画を検証し、見直し、変更か申請の勧奨につなげる」一連の流れです。訪問して面接するだけで完結する書き方にはなっていません。
「モニタリング」という語は、計画相談支援基準が定義している
事業所の現場で使われる「モニタリング」は、計画相談支援基準第15条第3項第1号で、次のように定義されています。
相談支援専門員は、サービス等利用計画の作成後、サービス等利用計画の実施状況の把握(利用者についての継続的な評価を含む。以下「モニタリング」という。)を行い、必要に応じてサービス等利用計画の変更、福祉サービス等の事業を行う者等との連絡調整その他の便宜の提供を行うとともに、新たな支給決定又は地域相談支援給付決定が必要であると認められる場合には、利用者等に対し、支給決定又は地域相談支援給付決定に係る申請の勧奨を行うものとする。
「実施状況の把握(利用者についての継続的な評価を含む。)」が、モニタリングの定義です。法律の「継続サービス利用支援」と、基準の「モニタリング」は、同じ業務を別の名前で書いたものと読めます。
施行規則 第6条の16:期間を決めるのは市町村
期間の中身を定めているのは、施行規則第6条の16です。まず、柱書の全体を引用します。
法第五条第二十四項に規定する主務省令で定める期間は、障害者等の心身の状況、その置かれている環境、支給決定に係る障害者等又は地域相談支援給付決定障害者の総合的な援助の方針及び生活全般の解決すべき課題、提供される障害福祉サービス又は地域相談支援の目標及びその達成時期、障害福祉サービス又は地域相談支援の種類、内容及び量、障害福祉サービス又は地域相談支援を提供する上での留意事項並びに次の各号に掲げる者の区分に応じ当該各号に定める期間を勘案して、市町村が必要と認める期間とする。
長い文ですが、構造は単純です。「期間は、〜を勘案して、市町村が必要と認める期間とする」。主語にあたるのは市町村です。
勘案する事項は2種類
「勘案して」の前に並んでいるものは、2種類に分けられます。
- 利用者ごとの事情:心身の状況、置かれている環境、総合的な援助の方針と生活全般の解決すべき課題、サービスの目標と達成時期、サービスの種類・内容・量、サービスを提供する上での留意事項
- 各号に掲げる者の区分に応じた期間:一号から五号まで、利用者の区分ごとに「一月間」「三月間」「六月間」が書かれている
ここで大事なのは、各号の期間は「勘案する材料」として書かれている点です。柱書は「各号に定める期間を勘案して、市町村が必要と認める期間とする」と読めるため、各号の月数がそのままモニタリングの期間になる、とは書かれていません。
ただし書は第一号の期間だけにかかる
柱書には、ただし書が続きます。
ただし、第一号に定める期間については、当該支給決定又は支給決定の変更に係る障害福祉サービスの利用開始日から起算して三月を経過するまでの間に限る。
ただし書は「第一号に定める期間については」と、対象を第一号に限っています。第一号の「一月間」は、サービスの利用開始日から起算して三月を経過するまでの間に限られます。第二号と第三号にも「一月間」が書かれていますが、条文の文言のうえでは、このただし書は第一号の期間にだけ付いています。
各号の読み方:どの利用者が、どの期間を勘案されるか
では、各号を順に読みます。まず、全体を表にします。表の対象の欄は要約なので、判定するときは必ず条文の原文を確認してください。
| 号 | 対象(要約) | 勘案する期間 |
|---|---|---|
| 第一号 | 支給決定等でサービスの種類・内容・量に著しい変動があった者 | 一月間(利用開始日から3月を経過するまで) |
| 第二号 | 療養介護等を除くサービス等の利用者のうち、イからハに当たる者 | 一月間 |
| 第三号 | 就労選択支援を利用する者 | 一月間 |
| 第四号 | 療養介護等を除くサービスの利用者のうち、イ・ロに当たる者 | 三月間 |
| 第五号 | 療養介護・重度障害者等包括支援・施設入所支援の利用者、地域移行支援の利用者など | 六月間 |
第二号以降は「除く」の書き出しを順に読む
第二号以降には、前の号に掲げる者を除く、という書き出しや括弧書きが置かれています。たとえば第二号は「(いずれも前号に掲げる者を除く。)」、第三号は「(前二号に掲げる者を除く。)」、第四号は「(前三号に掲げる者を除く。)」です。第五号の一部は「第一号に掲げる者を除く」、別の一部は「前各号に掲げる者を除く」と書かれており、すべてが同じ書き方ではありません。
したがって、1人の利用者が複数の号に当てはまりそうに見えても、前の号に当たる人は後の号からは除かれる構造になっています。上の号から順に当てはめて読みます。
第一号:支給決定や変更で、サービスが大きく変わった人
第一号は、次のように書かれています。
支給決定又は支給決定の変更によりサービスの種類、内容又は量に著しく変動があった者
対象は、支給決定や支給決定の変更で、サービスの種類・内容・量に「著しく変動があった者」で、勘案する期間は一月間です。何をもって「著しい変動」とするかは、条文には書かれていません。
第二号:支援が集中的に必要な人、連絡調整が難しい人
第二号は、療養介護、重度障害者等包括支援及び施設入所支援を除く障害福祉サービスを利用する者、または地域定着支援を利用する者のうち、次のイからハに当たるものです。勘案する期間は一月間です。
- イ:障害者支援施設からの退所等に伴い、一定期間、集中的に支援を行うことが必要である者
- ロ:単身の世帯に属するため、または同居している家族等の障害、疾病等のため、自ら指定障害福祉サービス事業者等との連絡調整を行うことが困難である者
- ハ:重度障害者等包括支援に係る支給決定を受けることができる者
第三号:就労選択支援を利用する人
第三号は、就労選択支援を利用する者(前二号に掲げる者を除く)で、勘案する期間は一月間です。
第四号:サービスの種類で区分される人、六十五歳以上の人
第四号は、療養介護、重度障害者等包括支援及び施設入所支援を除く障害福祉サービスを利用する者(前三号に掲げる者を除く)のうち、次のイまたはロに当たるもので、勘案する期間は三月間です。
- イ:居宅介護、重度訪問介護、同行援護、行動援護、短期入所、就労移行支援、自立訓練、就労定着支援、自立生活援助、または共同生活援助(日中サービス支援型指定共同生活援助に限る)を利用する者
- ロ:イに掲げる者以外の者であって、六十五歳以上のもの(介護保険法の規定による居宅介護支援または介護予防支援を利用する者を除く)
イの列挙は「共同生活援助」について「日中サービス支援型指定共同生活援助に限る」と範囲を絞っています。共同生活援助の利用者のすべてがイに当たる書き方にはなっていません。
第五号:六月間を勘案される人
第五号は、療養介護、重度障害者等包括支援または施設入所支援を利用する者、療養介護等を除く障害福祉サービスを利用する者または地域定着支援を利用する者(いずれも前各号に掲げる者を除く)、または地域移行支援を利用する者で、勘案する期間は六月間です。
ここまでの条文を順に当てはめると、第四号のイに名前が挙がっていないサービス(たとえば就労継続支援)の利用者は、六十五歳以上で第四号のロに当たる場合を除き、第四号には当たりません。第五号の「前各号に掲げる者を除く」の文言に当たる読みになります。これは条文の文言を順に当てはめた読み方であり、市町村が実際にどの期間を定めるかは別の話です。
「標準期間」という言葉は、条文のどこにあるのか
ここまで読むと、よく見かける「標準期間」という言葉が気になります。この記事のために、法・施行規則・計画相談支援基準の本則を検索したところ、「標準期間」という語は出てきませんでした。
条文に書かれているのは、次の構造だけです。
- 法律は、期間を「主務省令で定める期間」としている
- 施行規則は、期間を「市町村が必要と認める期間」としている
- 一月間・三月間・六月間は、市町村が期間を定めるときに勘案する材料として、各号に書かれている
つまり、「標準は3か月」「標準は6か月」と言い切れる書き方は、本則にはありません。通知や自治体の資料など、本則以外の文書でどう書かれているかは、この記事では確かめていません。自治体の運用はそれぞれ異なるため、実際の期間は、利用者ごとに市町村が定めた内容を確認するのが確実です。
期間を「誰が決め」「誰が提案し」「誰が動くか」
ここまでの条文を、役割で整理します。
| 立場 | 条文 | 役割 |
|---|---|---|
| 市町村 | 施行規則 第6条の16 | 期間を「必要と認める期間」として定める |
| 相談支援専門員 | 計画相談支援基準 第15条第2項第8号 | サービス等利用計画案に期間の提案を記載する |
| 相談支援専門員 | 計画相談支援基準 第15条第3項第2号 | 期間ごとに訪問・面接し、結果を記録する |
提案の根拠は、計画相談支援基準第15条第2項第8号です。サービス等利用計画案の作成について、末尾の部分を引用します。
法第五条第二十四項に規定する主務省令で定める期間に係る提案等を記載したサービス等利用計画案を作成しなければならない。
この文の前には、アセスメントに基づいて最も適切な福祉サービス等の組合せを検討することや、記載する事項の列挙が置かれています。期間の提案は、利用者及びその家族の生活に対する意向、総合的な援助の方針、サービスの目標と達成時期などと並ぶ、サービス等利用計画案の記載事項の1つとして書かれています。
ここから言えるのは、相談支援専門員は、期間を決める立場ではなく、計画案の中で期間を提案する立場だということです。決めるのは、施行規則の文言どおり市町村です。
一方で、提案を市町村がどう扱うのか、受給者証などにどう反映されるのかといった手続きは、この記事で取得した条文には書かれていません。そのため、その流れは書きません。
なお、計画相談支援を担う相談支援専門員になるための要件は、相談支援専門員の要件の記事で整理しています。
モニタリングで何をするか:計画相談支援基準 第15条第3項
事業者の側の動き方は、計画相談支援基準第15条第3項が定めています。第1号は先ほど引用したモニタリングの定義です。第2号は、方法と記録を定めています。
相談支援専門員は、モニタリングに当たっては、利用者及びその家族、福祉サービス等の事業を行う者等との連絡を継続的に行うこととし、法第五条第二十四項に規定する主務省令で定める期間ごとに利用者の居宅等を訪問し、利用者等に面接するほか、その結果を記録しなければならない。
読み取れることは、次の4点です。
- 利用者とその家族、福祉サービス等の事業を行う者等との連絡を継続的に行う。期間と期間の間も、連絡は続けるという書き方です。
- 主務省令で定める期間ごとに、利用者の居宅等を訪問し、利用者等に面接する。
- 面接の結果を記録しなければならない。
- 訪問先は「居宅等」と書かれています。「自宅」とは書かれていません。「居宅等」にどこまで含まれるかは、この記事で取得した条文だけでは確かめられていません。
変更・申請の勧奨・そのほかの定め
第15条第3項には、ほかにも次のような定めがあります。
- 第3号:サービス等利用計画を変更するときは、前項(計画案の作成)の第1号から第9号まで及び第12号から第14号までの規定を準用する。サービス担当者会議の開催や、計画の説明・同意・交付に関する規定が含まれる
- 第4号:適切な福祉サービス等が提供された場合でも、利用者が居宅で日常生活を営むことが困難になった、または施設等への入所・入院を希望する場合には、指定障害者支援施設等への紹介その他の便宜の提供を行う
- 第5号:施設や精神科病院等から退所・退院しようとする利用者または家族から依頼があった場合に、居宅における生活へ円滑に移行できるよう、必要な情報の提供・助言等の援助を行う
- 第6号・第7号:就労移行支援・就労継続支援を利用している場合にモニタリングの結果等を踏まえて就労選択支援の利用が必要と認められるとき、及び就労選択支援を利用している場合の連携・見直し
モニタリングは、面接して記録して終わりではなく、結果に応じて変更・連絡調整・申請の勧奨・紹介などにつながる業務として書かれています。
テレビ電話装置等での面接:第15条の2の2つの要件
「オンラインでモニタリングはできるのか」という質問も出ます。条文は、第15条の2に置かれています。
相談支援専門員は、次に掲げる要件をいずれも満たす場合には、テレビ電話装置等を活用して利用者に対するアセスメント又はモニタリングに係る面接を行うことができる。
要件は2つで、「いずれも」満たす必要があります。
1つ目は、利用者が、厚生労働大臣等が定める地域(告示)に居住し、かつ、指定特定相談支援事業所と利用者の居宅等との間に一定の距離があることです。条文は次のとおりです。
当該アセスメント又はモニタリングに係る利用者が障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく指定障害福祉サービス等及び基準該当障害福祉サービスに要する費用の額の算定に関する基準等に基づき厚生労働大臣又はこども家庭庁長官及び厚生労働大臣が定める地域(平成二十一年厚生労働省告示第百七十六号)に定める地域に居住し、かつ、指定特定相談支援事業所と当該利用者の居宅等との間に一定の距離があること。
2つ目は、面接を行う日の属する月の前月または前々月に、利用者の居宅等を訪問して面接を行っていることです。
当該面接を行う日の属する月の前月又は前々月に、当該利用者の居宅等を訪問してアセスメント又はモニタリングに係る面接を行ったこと。
たとえば、10月にテレビ電話装置等で面接をする場合、9月または8月に居宅等を訪問して面接を行っていることが、条文の文言から求められます。
整理すると、次のとおりです。
| 要件 | 内容 |
|---|---|
| 第一号 | 告示の定める地域に居住し、かつ事業所と居宅等の間に一定の距離がある |
| 第二号 | 面接の月の前月または前々月に、居宅等を訪問して面接した |
条文の構造から、オンラインが一般に使えるとは読めません。第15条第3項第2号の原則は「居宅等を訪問し」であり、第15条の2は、その例外として、2つの要件をいずれも満たす場合にテレビ電話装置等を使えるとする書き方です。
なお、「一定の距離」が何キロメートルなのか、告示の定める地域がどこなのかは、この記事で取得した条文には書かれていません。利用者がこの要件を満たすかどうかを判断するときは、告示の原文と、所在地の市町村の案内を確認してください。
記録と保存:計画相談支援基準 第30条第2項
最後に、記録です。面接の結果を記録する義務は第15条第3項第2号にありますが、保存の期間を定めているのは第30条第2項です。
指定特定相談支援事業者は、利用者等に対する指定計画相談支援の提供に関する次の各号に掲げる記録を整備し、当該指定計画相談支援を提供した日から五年間保存しなければならない。
「次の各号に掲げる記録」のうち、モニタリングに関係するものは2つです。
- 第1号:第15条第3項第1号に規定する福祉サービス等の事業を行う者等との連絡調整に関する記録
- 第2号:個々の利用者ごとに事項を記載した相談支援台帳。その事項の1つとして、ニに「モニタリングの結果の記録」が挙げられています(イはサービス等利用計画案及びサービス等利用計画、ロはアセスメントの記録、ハはサービス担当者会議等の記録)
保存期間は、指定計画相談支援を提供した日から五年間です。ここで押さえておきたいのは、次の2点です。
- 第30条第2項の主語は「指定特定相談支援事業者」です。保存の義務の主語は事業者であり、相談支援専門員個人ではありません。
- 記録の様式や、記載すべき項目の細目は、この記事で取得した条文には書かれていません。「モニタリングの結果の記録」の中身は、条文からは決まりません。
社会福祉法人の実務で、確認しておきたいこと
ここからは、条文の読み方を踏まえた提案です。条文に書かれた義務ではなく、法人としての管理の方法の1つの案として読んでください。
相談支援事業所では、1人の相談支援専門員が多くの利用者を担当します。その利用者ごとに、市町村が定めた期間が異なる可能性があります。さらに、法人内に事業所が複数ある場合、法人本部が全体の状況をつかむ必要も出てきます。条文の構造から考えると、利用者ごとに次の項目を台帳で管理しておくと、期間と記録のずれに気づきやすくなります。
| 管理する項目 | 何のために | 根拠 |
|---|---|---|
| 市町村が定めた期間 | 次回の面接時期を出す起点にする | 施行規則 第6条の16 |
| 直近の訪問・面接日 | 期間ごとの訪問と面接を確かめる | 基準 第15条第3項第2号 |
| 面接の方法 | 訪問かテレビ電話装置等かを区別する | 基準 第15条の2 |
| 前月・前々月の訪問の有無 | テレビ電話装置等を使える要件の確認 | 基準 第15条の2第二号 |
| 記録の作成日と保存期限 | 五年間の保存を管理する | 基準 第30条第2項 |
| 支給決定の有効期間 | 有効期間内に見直す前提を確かめる | 法 第5条第24項 |
特に気をつけたいのは、次の3点です。
- 第一号の期間の終わりを把握する:支給決定や変更でサービスが大きく変わった利用者は、第一号の「一月間」が利用開始日から三月を経過するまでの間に限られます。この日付を台帳に持っておけば、期間の切り替えを見落としにくくなります。
- テレビ電話装置等を使った面接の根拠を残す:第15条の2の2つの要件を満たすことは、面接の都度確認する必要があります。要件を確かめた事実を記録に残しておくと、後から説明しやすくなります。
- 連絡調整の記録を、モニタリングの記録と分けて管理する:第30条第2項は、連絡調整に関する記録(第1号)と、相談支援台帳(第2号)を別々に挙げています。台帳に入れるのはモニタリングの結果の記録で、連絡調整の記録は別の号です。
担当利用者の増減や相談支援専門員の異動があっても、期間と記録の状況が1か所で見られる状態にしておくと、法人としての点検がしやすくなります。
条文だけでは決まらないこと
この記事の範囲で、「条文からは決まらない」と言うほかない点を挙げます。
| 論点 | 決まらない理由 |
|---|---|
| 個々の利用者のモニタリング期間 | 施行規則は「市町村が必要と認める期間」とする |
| 各号の期間が、そのまま期間になるか | 各号は「勘案」する材料として書かれている |
| 第一号の「著しく変動があった者」 | 何をもって著しい変動とするか、条文に基準がない |
| 提案を市町村がどう扱うか | この記事で取得した条文には手続きが書かれていない |
| 「居宅等」の範囲 | この記事で取得した条文だけでは確かめていない |
| 「一定の距離」と告示の地域 | 距離の数字は条文になく、告示の中身は取得していない |
| 面接の結果の記録の様式・項目 | 条文は「記録しなければならない」と書くにとどまる |
この記事で書いていないこと
この記事は、総合支援法・施行規則・計画相談支援基準の本則だけを根拠にしています。次の点は、取得した一次情報に含まれていないため書いていません。
- 自治体ごとの運用や、市町村が実際に定めている期間の傾向
- 継続サービス利用支援費などの報酬の単位数
- 障害児相談支援のモニタリング
- セルフプランの場合の取扱い
- 通知や自治体の手引きなど、本則以外の文書の内容
まとめ
- モニタリングは総合支援法第5条第24項の「継続サービス利用支援」にあたり、期間は「主務省令で定める期間ごと」と、省令に委ねられています。
- 施行規則第6条の16は、期間を「市町村が必要と認める期間」と定めています。一月間・三月間・六月間は、各号に勘案する期間として書かれており、「標準期間」という語は本則に出てきません。
- 計画相談支援基準第15条第2項第8号は、計画案に期間の提案を記載するよう求めています。相談支援専門員は、期間を決める立場ではなく、提案する立場です。
- 期間ごとに、居宅等を訪問して面接し、結果を記録します。テレビ電話装置等での面接は、第15条の2の2つの要件をいずれも満たす場合に限られます。
- モニタリングの結果の記録は、相談支援台帳の一部として、提供した日から五年間保存します。期間・面接・記録を利用者ごとに台帳で管理しておくと、法人としての点検がしやすくなります。
参考にした一次情報
- 障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律|e-Gov法令検索:第5条第23項、第24項
- 障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律施行規則|e-Gov法令検索:第6条の15、第6条の16
- 指定計画相談支援の事業の人員及び運営に関する基準|e-Gov法令検索:第15条、第15条の2、第30条
計画相談の期間・面接・記録を、利用者ごとに一覧で見られていますか?
パレットテクノロジーズは、社会福祉法人様のデジタル化を「現地現物」で伴走支援しています。利用者ごとの期間、直近の面接日、記録の保存期限を、法人本部でも一覧できる形に整えるところからご一緒します。ITに詳しい職員がいらっしゃらなくても大丈夫です。