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モニタリング|居宅介護支援は月1回訪問、2月に1回の例外もある

「モニタリングは月1回の訪問」「テレビ電話なら2か月に1回の訪問でよい」。現場ではこのように覚えている方が多いのではないでしょうか。ところが、条文を最初から読むと、少し違う姿が見えてきます。

結論を先に書きます。

  • 「モニタリング」は、第十三号の見出しではありません。 第十三号は「居宅サービス計画の実施状況の把握」を行うと定め、第十四号が、その実施状況の把握に「モニタリング」という名前を付けています。 つまり、やることは第十三号、やり方は第十四号という二段構えです
  • 第十四号の柱書には「特段の事情のない限り」があります。ただし、その「特段の事情」が何を指すかは、省令の本則には書かれていません
  • 訪問をテレビ電話に置き換えられるのは、少なくとも2月に1回は居宅を訪問し、かつ条件を満たす場合だけです。訪問が不要になるわけではありません

この記事は、指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準(平成11年厚生省令第38号。以下「省令38号」)の第13条と第29条を読み、条文に書かれていることと、書かれていないことを分けて整理します。運営基準減算の中身や、モニタリングの様式・記入例は扱いません(理由は後の節に書きます)。読んだのは2026年10月10日にe-Gov法令検索で取得した条文です。

なお、条文に「ケアプラン」という語は出てきません。今回読んだ第4条・第13条・第29条では、条文の語は「居宅サービス計画」です。この記事でも、条文を引くところでは「居宅サービス計画」と書きます。

「モニタリング」は第十四号で初めて名前が付く

第十三号と第十四号を並べます。まず第十三号です。

介護支援専門員は、居宅サービス計画の作成後、居宅サービス計画の実施状況の把握(利用者についての継続的なアセスメントを含む。)を行い、必要に応じて居宅サービス計画の変更、指定居宅サービス事業者等との連絡調整その他の便宜の提供を行うものとする。

ここには「モニタリング」という語がなく、頻度の定めもありません。 書かれているのは、実施状況の把握(継続的なアセスメントを含む)を行い、必要に応じて計画の変更や連絡調整を行う、という大枠です。

次に第十四号の柱書です。

介護支援専門員は、第十三号に規定する実施状況の把握(以下「モニタリング」という。)に当たっては、利用者及びその家族、指定居宅サービス事業者等との連絡を継続的に行うこととし、特段の事情のない限り、次に定めるところにより行わなければならない。

「第十三号に規定する実施状況の把握(以下「モニタリング」という。)」とあるとおり、モニタリングは、第十三号の実施状況の把握を第十四号が言い換えた定義語です。整理すると次のようになります。

号書かれていること
第十三号計画作成後に、実施状況の把握(継続的なアセスメントを含む)を行い、必要に応じて変更・連絡調整等を行う
第十四号の柱書その実施状況の把握を「モニタリング」と呼び、利用者・家族・事業者等との連絡を継続的に行い、特段の事情のない限り、イ・ロ・ハのとおり行う

「モニタリングの頻度」を調べるときは、第十三号ではなく第十四号を読む必要があります。一方で、「連絡調整」や「計画の変更」といった、モニタリングの結果としてすることは第十三号に書かれています。

第十四号は、イ・ロ・ハの3つに分けて読む

第十四号の柱書は、モニタリングを「次に定めるところにより行わなければならない」としています。その中身がイ・ロ・ハです。

項目内容(条文の語)
イ少なくとも一月に一回、利用者に面接すること
ロイの面接は、利用者の居宅を訪問することによって行うこと。ただし書きでテレビ電話装置等の活用を認める
ハ少なくとも一月に一回、モニタリングの結果を記録すること

イは面接の頻度、ロは面接の方法、ハは記録の頻度です。それぞれ原文を見ます。

少なくとも一月に一回、利用者に面接すること。

イの規定による面接は、利用者の居宅を訪問することによって行うこと。

ロの原則は、面接は居宅を訪問して行うことです。ここまでが、本文の「月1回訪問」という理解のもとになっています。ロにはこの後に「ただし書き」が続きますが、これは次の節で読みます。

少なくとも一月に一回、モニタリングの結果を記録すること。

ロのただし書き:訪問は2月に1回必要で、残りの月が置き換わるだけ

ロのただし書きを、原文のまま引用します(このあとに(1)と(2)の小項目が続きます)。

ただし、次のいずれにも該当する場合であって、少なくとも二月に一回、利用者の居宅を訪問し、利用者に面接するときは、利用者の居宅を訪問しない月においては、テレビ電話装置等を活用して、利用者に面接することができるものとする。

ここで大切なのは、次の2点です。

  • 「少なくとも二月に一回、利用者の居宅を訪問し、利用者に面接する」ことが前提です。2月に1回の訪問は、条件の一部として書かれています
  • テレビ電話装置等に置き換えられるのは、「利用者の居宅を訪問しない月」の面接です

つまり、「2か月に1回でよくなった」ではなく、訪問は2月に1回必要で、訪問しない月の面接がテレビ電話装置等に置き換わるという構造です。毎月、面接そのものは必要です。置き換わるのは「居宅を訪問する」という方法のところだけです。

条件は「次のいずれにも該当する」

ただし書きは、「次のいずれにも該当する場合」と書いています。つまり(1)と(2)の両方を満たす必要があります。

(1)は、同意に関する条件です。

テレビ電話装置等を活用して面接を行うことについて、文書により利用者の同意を得ていること。

文書による利用者の同意であることが、条文の語として書かれています。

(2)は、関係者の合意に関する条件です。

サービス担当者会議等において、次に掲げる事項について主治の医師、担当者その他の関係者の合意を得ていること。

合意を得る事項は、次の3つです。(i)(ii)(iii)の原文を、1つずつ引用します。

利用者の心身の状況が安定していること。

利用者がテレビ電話装置等を活用して意思疎通を行うことができること。

介護支援専門員が、テレビ電話装置等を活用したモニタリングでは把握できない情報について、担当者から提供を受けること。

整理すると、テレビ電話装置等に置き換えるための条件は、次の表のとおりです。

条件内容条文の位置
前提少なくとも二月に一回、居宅を訪問して面接するロのただし書き
(1)テレビ電話装置等での面接について、文書により利用者の同意を得ているロのただし書き(1)
(2)(i)利用者の心身の状況が安定していることについて、主治の医師、担当者その他の関係者の合意を得ているロのただし書き(2)
(2)(ii)利用者がテレビ電話装置等を活用して意思疎通を行えることについて、同様に合意を得ている同上
(2)(iii)把握できない情報を担当者から提供を受けることについて、同様に合意を得ている同上

(2)の合意は、「サービス担当者会議等において」得ると書かれています。合意を得る場所が決まっている点も、条文の語から読み取れます。

ハ:記録は「一月に一回」。訪問の頻度とは別立て

次はハです。ロのただし書きで訪問が2月に1回になる場合も、ハの文言は変わりません。ハは「少なくとも一月に一回、モニタリングの結果を記録すること」で、ロのただし書きに関する書き分けは、ハの中には書かれていないからです。

ここは慎重に読む必要があります。条文から言えるのは、次の2点です。

  • ハは、イ・ロとは別の号として、記録の頻度を定めている
  • ロのただし書きが変えているのは、イの面接の「方法」(居宅を訪問するか、テレビ電話装置等か)であり、ハの記録の「頻度」ではない

そのため、面接の方法が訪問からテレビ電話装置等に変わる月も、条文のうえでは「一月に一回」の記録の定めは別に残っていると読めます。ただし、どのような内容を、どの様式で書くのかは、条文には書かれていません。

なお、柱書の「特段の事情のない限り」は、イ・ロ・ハのすべてにかかる位置に書かれています。次に、この語を見ます。

「特段の事情のない限り」の中身は、省令の本則に書かれていない

第十四号の柱書には、「特段の事情のない限り、次に定めるところにより行わなければならない」とあります。では、「特段の事情」とは何か。今回読んだ第4条・第13条・第29条のなかで、「特段の事情」という語が出てくるのは、第13条の第十四号の柱書の1か所だけです。そして、その語の意味を定める記述は、この3条のどこにもありません。

つまり、省令の本則が決めているのは、次のところまでです。

  • 原則は、イ・ロ・ハのとおり行う
  • 「特段の事情」がある場合は、この原則の例外になりうる

どのような場合が「特段の事情」にあたるのか、例外のときに何をするのかは、条文には書かれていません。自治体の資料などで、利用者側の事情に限るといった説明を見ることがありますが、それらは省令の本則ではなく、別の通知などに基づく説明です。この記事では、その中身を扱いません。 判断に迷うときは、所在地の都道府県・市町村が出している通知や案内で確認してください。

同じテレビ電話でも、サービス担当者会議は条件が軽い

テレビ電話装置等は、サービス担当者会議(第九号)の定義にも出てきます。条文を並べると、同じテレビ電話でも、条件の重さが違うことが分かります。

第九号の括弧書きは次のとおりです。

テレビ電話装置その他の情報通信機器(以下「テレビ電話装置等」という。)を活用して行うことができるものとする。ただし、利用者又はその家族(以下この号において「利用者等」という。)が参加する場合にあっては、テレビ電話装置等の活用について当該利用者等の同意を得なければならない。

比べると、次のとおりです。

比べる点サービス担当者会議(第九号)モニタリングの面接(第十四号ロ)
テレビ電話装置等の活用活用して行うことができる訪問しない月に、活用して面接することができる
利用者の同意利用者等が参加する場合に、活用について同意を得る面接について、文書により同意を得ている
訪問との関係条文に書かれていない少なくとも二月に一回は居宅を訪問し、面接する
関係者の合意条文に書かれていないサービス担当者会議等で、主治の医師、担当者その他の関係者の合意を得ている

第九号の条文は、同意を得ることは求めていますが、「文書により」とは書いていません。また、訪問の頻度や関係者の合意も、条件としては付いていません。モニタリングの面接は、置き換えの条件が多いのです。

第29条とのつながり:モニタリングの結果の記録は、保存の対象

ハで作った記録は、第29条の「記録の整備」につながります。第29条第2項は、次のとおり定めています。

指定居宅介護支援事業者は、利用者に対する指定居宅介護支援の提供に関する次の各号に掲げる記録を整備し、その完結の日から二年間保存しなければならない。

保存の対象のうち、第二号は「個々の利用者ごとに次に掲げる事項を記載した居宅介護支援台帳」で、その中の1つが次のとおりです。

第十三条第十四号に規定するモニタリングの結果の記録

第十四号のモニタリングの結果の記録は、居宅介護支援台帳に記載する事項として、第29条に名指しされています。 保存期間は、条文の語で「その完結の日から二年間」です。

注意したいのは、この「その完結の日」の意味が、今回読んだ条文には書かれていないことです。どの日から数えるのかは、条文の文言からは決まりません。この点は、記録を取っておく期間の考え方を整理した別記事(サービス提供記録と保存期間)でも扱っています。数え方の運用は、所管の自治体の案内で確認してください。

台帳に載るのは、モニタリングの結果の記録だけではありません。同じ第二号の台帳には、居宅サービス計画、アセスメントの結果の記録、サービス担当者会議等の記録も並んでいます。なお、第一号には、第十三号に規定する指定居宅サービス事業者等との連絡調整に関する記録が挙がっています。第十三号の「連絡調整」も、保存の対象に入っているわけです。

この記事で扱わないこと

最後に、この記事が扱わないことを書いておきます。

  • 運営基準減算: 「運営基準減算」という語は、今回読んだ省令38号の第4条・第13条・第29条に出てきません(2026年10月10日に確認)。減算の中身は、報酬告示と解釈通知の側で定められています。そのため、減算の要件や単位数は、この記事では扱いません
  • 「特段の事情」の具体例: 上で書いたとおり、省令の本則には書かれていません
  • モニタリングの様式や記入例: 条文には書かれていません
  • 入院中や電話での代替などの個別の場面: 今回読んだ条文からは判断できません。所管の自治体に確認してください

実務の打ち手:訪問の月と置き換えの月が分かる形で残す

条文を読むと、事業所の側で整理しておくと役に立つことが見えてきます。以下は条文の構造からの整理の提案で、必ずこうしなければならないという意味ではありません。

整理しておくこと理由(条文の根拠)
利用者ごとに、居宅を訪問した月と、テレビ電話装置等で面接した月を区別して残す少なくとも二月に一回の訪問が、置き換えの前提になっている(第十四号ロ)
テレビ電話装置等による面接について、文書による同意を得た日を残す同意が文書によると書かれている(第十四号ロ(1))
サービス担当者会議等で、心身の状況の安定などの合意を得た記録を残す合意を得る場所と事項が決まっている(第十四号ロ(2))
面接の方法にかかわらず、月ごとの結果の記録があるか確認する記録は少なくとも一月に一回(第十四号ハ)
「特段の事情」で例外とした場合は、その理由と、自治体に確認した内容を残す中身が省令の本則に書かれていない(第十四号の柱書)

担当者や管理者が変わっても、同じ判断を繰り返せるよう、「何を根拠に」「いつ」決めたのかを残しておくことが大切です。

まとめ

  • 「モニタリング」は、第十三号の実施状況の把握を、第十四号が言い換えた定義語。やることは第十三号、やり方は第十四号
  • 第十四号は、イ(少なくとも一月に一回の面接)、ロ(面接は居宅を訪問して行う)、ハ(少なくとも一月に一回の記録)の3つに分けて読む
  • ロのただし書きは、少なくとも二月に一回は居宅を訪問し、面接することを前提に、訪問しない月の面接をテレビ電話装置等に置き換えられるとするもの。「2か月に1回の訪問でよい」という意味ではない
  • 置き換えの条件は、文書による利用者の同意と、サービス担当者会議等での関係者の合意(心身の状況の安定、意思疎通、把握できない情報の提供)の両方
  • 記録は、面接の方法の定めとは別の号(ハ)で、少なくとも一月に一回と定められている
  • 「特段の事情」の中身は、省令の本則には書かれていない。自治体の通知や案内で確認する
  • サービス担当者会議(第九号)のテレビ電話は、「同意を得る」だけで、モニタリングより条件が軽い
  • モニタリングの結果の記録は、第29条の居宅介護支援台帳の記載事項として挙がり、保存は「その完結の日から二年間」

参考(一次情報)

※本記事は省令の条文の構造を整理したもので、個別の事業所の運営判断を示すものではありません。特段の事情の範囲、運営基準減算の要件、様式、保存期間の数え方など、条文に書かれていない事項は、所管の自治体の最新の通知・案内をご確認ください。


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