居宅介護支援事業所で使っているアセスメントシートに、「障害老人の日常生活自立度」「介護力」「問題行動」といった欄が、そのまま残っていないでしょうか。法人本部で記録様式を管理している担当者なら、事業所ごとに少しずつ違う様式を見比べて、どれが最新なのか分からなくなった経験があるかもしれません。
令和5年10月16日、国は課題分析標準項目を改正しました。現場からは、次のような疑問が出てくるはずです。「項目名が変わったと聞いたが、集める情報も増えるのか」「例示がずいぶん細かくなったが、全部埋めないと実地指導で指摘されるのか」「うちの様式は、どこから直せばよいのか」。
この記事では、改正を示した通知(介護保険最新情報Vol.1178)と、その趣旨を説明したQ&A(同Vol.1179)の文言を読みます。あわせて、アセスメントに関わる基準の条文(指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準、以下「基準」)も確かめます。通知とQ&Aから決まることと、これらからは決まらないことは分けて書きます。
先に結論
- 課題分析標準項目は全部で23項目です。改正後の対照表では、No.1から9が「基本情報に関する項目」、No.10から23が「課題分析(アセスメント)に関する項目」に並んでいます。
- Q&A問1は、項目名と「項目の主な内容(例)」が現状にそぐわなくなっていたことと、令和6年4月から始まる法定研修で「適切なケアマネジメント手法」が盛り込まれることを、改正の理由に挙げています。そのうえで「情報収集項目がこれまでと変わるわけでない」と書いています。
- 名称が変わったのは、2・3・4・5・6・7・9・13・14・16・17・18・19・21・23の15項目です。15は「生活リズム」が新設され、20は「社会との関わり」になりました。旧20の「問題行動」は、新13の「認知機能や判断能力」に統合されたと説明されています。
- 「項目の主な内容(例)」は例示であり、すべての情報収集を求めるものではない、とQ&A問3が明記しています。保険者向けには、例示が把握されていないことのみをもって基準違反としないよう留意する旨も書かれています。
- 通知とQ&Aの抜粋だけでは決まらないこともあります。施行日、経過措置、居宅サービス計画書の様式の改正内容、基準と標準項目の関係は、この記事では書いていません。
課題分析標準項目は、基準のどこに関わるのか
まず、アセスメントそのものが基準でどう書かれているかを確認します。基準第13条第6号は、居宅サービス計画の作成に当たって、利用者が現に抱える問題点を明らかにし、解決すべき課題を把握することを求めています。続く第7号が、この課題の把握を「アセスメント」と定義します。
介護支援専門員は、前号に規定する解決すべき課題の把握(以下「アセスメント」という。)に当たっては、利用者の居宅を訪問し、利用者及びその家族に面接して行わなければならない。
第7号が書いているのは、居宅を訪問し、利用者とその家族に面接して行うことです。次の文で、面接の趣旨を利用者と家族に十分に説明し、理解を得ることも求めています。
アセスメントはこの時点で終わりません。第13号は、居宅サービス計画の作成後の実施状況の把握に、「利用者についての継続的なアセスメントを含む」と書いています。さらに第14号は、この実施状況の把握を「モニタリング」と定義し、少なくとも一月に一回の面接と、モニタリングの結果の記録を求めています。モニタリングの面接と記録の読み方は、居宅介護支援のモニタリングを基準の条文から読んだ記事で整理しています。
記録については、第29条第2項が次のように定めています。
指定居宅介護支援事業者は、利用者に対する指定居宅介護支援の提供に関する次の各号に掲げる記録を整備し、その完結の日から二年間保存しなければならない。
この各号のうち第2号は、個々の利用者ごとの居宅介護支援台帳です。台帳に記載する事項として、イの居宅サービス計画、ロの「第十三条第七号に規定するアセスメントの結果の記録」、ハのサービス担当者会議等の記録、ニのモニタリングの結果の記録が並びます。つまり基準は、アセスメントの結果を記録として残し、完結の日から二年間保存することを、事業者の義務にしています。
ここで一つ、確認しておきたいことがあります。抜粋した第13条と第29条の条文には、「課題分析標準項目」という語は出てきません。基準が標準項目に沿うことを求めているのか、どのような位置づけなのかは、この記事で扱った条文からは読み取れません。そのため、標準項目と基準の関係は、条文の側からは断定せず、通知の側から読んでいきます。
通知(Vol.1178)は、新旧対照表の形で示されている
改正を示したのは、令和5年10月16日付けの老認発1016第1号です。題名は「『介護サービス計画書の様式及び課題分析標準項目の提示について』の一部改正について」で、宛先は各都道府県介護保険主管部(局)長、発出は厚生労働省老健局認知症施策・地域介護推進課長です。本文は短く、次のとおりです。
標記について、今般別添のとおり一部改正することとしたので、各都道府県におかれては、十分御了知の上、関係者、関係団体等に対し、その周知徹底を図るとともに、その運用に遺漏なきを期されたい。
内容は、別添の新旧対照表にあります。対象は平成11年11月12日の老企第29号の別紙4「課題分析標準項目について」です。対照表は左が新、右が旧で、新旧の項目名と「項目の主な内容(例)」が並びます。
新しい標準項目の構成は、次のとおりです。
| 区分 | No. | 数 |
|---|---|---|
| 基本情報に関する項目 | 1〜9 | 9項目 |
| 課題分析(アセスメント)に関する項目 | 10〜23 | 14項目 |
合わせて23項目になります。各項目には「項目の主な内容(例)」があり、何を記載するかが括弧書きで例示されています。ここで「例」と書かれていることが、後で読むQ&Aの要点につながります。
改正の理由と、「変わらない」と書かれていること
次に、Q&A(令和5年10月16日付けの事務連絡、Vol.1179)を読みます。問1が、改正の理由を答えています。前半部分を引用します。
課題分析標準項目については、これまで大幅な改正は行ってこなかったが、項目の名称や「項目の主な内容(例)」の記載が一部現状とそぐわないものになっていることや、令和6年4月から開始される新たな法定研修カリキュラムにおいて「適切なケアマネジメント手法」が盛り込まれることを踏まえ、当該手法との整合性を図る必要がある(※)ことから、文言の適正化や記載の充実を図ったものである。なお、情報収集項目がこれまでと変わるわけでない。
理由は2つです。1つは、項目の名称や例示が現状にそぐわなくなっていたこと。もう1つは、令和6年4月から始まる新しい法定研修のカリキュラムに「適切なケアマネジメント手法」が盛り込まれるため、その手法との整合を図る必要があったことです。
そして結論として、「情報収集項目がこれまでと変わるわけでない」と書かれています。改正の中身は、文言の適正化と記載の充実です。
この説明は、問1だけにあるのではありません。問9(健康状態)は、例示の記載がだいぶ増えたが把握すべき内容はこれまでと変わらないかという問いに、「その認識で問題ない」と答えています。問11(認知機能や判断能力)も同じ答えです。問19(居住環境)は「これまでと収集すべき情報が変わるわけではなく」と答えています。
一方で、変わったように見える点もあります。No.15「生活リズム」について、問13は「これまでの項目には含まれていなかった項目」だとしたうえで、居宅サービス計画書(第3表)の作成に際して把握していた事項と考えられると書いています。必要性を踏まえて、改めて項目として新設した、という説明です。
つまりQ&Aの立場は、次のように整理できます。情報として集めるべき内容は変えていない。ただし、これまで項目として明示されていなかったものは、項目として立てた。様式の側から見れば、欄を追加する場面が出てくる、ということです。
例示は、すべて集めなければならないのか
現場がいちばん気にするのは、この点でしょう。問3が、そのまま問いにしています。「項目の主な内容(例)」に記載された内容を、全部必ず把握しなければならないのか、という問いです。答えの前半は、次のとおりです。
「項目の主な内容(例)」は、「標準項目」の各項目の解釈の違いにより把握する内容に差異が生じないよう、具体的な内容を例示したものであり、これらの内容についてすべての情報収集を行うことを求めるものではない。
例示は、各項目の解釈の違いで把握する内容に差が出ないようにするためのものです。すべての情報収集を求めるものではない、と書かれています。
答えの後半は、保険者に向けた書きぶりです。
なお、各保険者においては実地指導等において、「項目の主な内容(例)」に記載されている内容が把握されていないことのみをもって、アセスメントが適切に行われていないと判断し、基準違反とすることが無いよう留意されたい。
ここは、読み方に注意が要ります。この文は、保険者(市町村)への依頼です。事業所に対して「例示の記入を省いてよい」と許可しているわけではありません。書かれているのは、例示が把握されていないことのみをもって基準違反と判断しないよう、保険者に留意を求めていることです。
では、事業所は何を基準に情報を集めるのか。問1、問9、問15には共通の言葉があります。例示は「各利用者の課題分析に必要な情報を判断するための例示」だというものです。必要な情報を判断するのは、利用者ごとの課題分析の場面だということになります。
ここから先は、Q&Aには書かれていない、弊社の見方です。様式の欄を例示の数だけ細かく作ると、記入者には「全部埋めなければならない」という圧力がかかります。しかしQ&Aは、全部を求めていません。様式を見直すときは、例示をそのまま欄にするのか、記入のヒントとして添えるのかを、法人として決めておくとよいと考えます。
名称が変わった項目の新旧
ここからは、通知の新旧対照表を読み取り、名称が変わった項目を並べます。まず、基本情報に関する項目(No.1〜9)です。
| No. | 新 | 旧 |
|---|---|---|
| 1 | 基本情報(受付、利用者等基本情報) | 名称は同じ。例示に「初回、初回以外」が加わった(問4) |
| 2 | これまでの生活と現在の状況 | 生活状況 |
| 3 | 利用者の社会保障制度の利用情報 | 利用者の被保険者情報 |
| 4 | 現在利用している支援や社会資源の状況 | 現在利用しているサービスの状況 |
| 5 | 日常生活自立度(障害) | 障害老人の日常生活自立度 |
| 6 | 日常生活自立度(認知症) | 認知症である老人の日常生活自立度 |
| 7 | 主訴・意向 | 主訴 |
| 9 | 今回のアセスメントの理由 | 課題分析(アセスメント)理由 |
No.8の「認定情報」は、新旧で名称が同じです。次に、課題分析(アセスメント)に関する項目(No.10〜23)です。
| No. | 新 | 旧 |
|---|---|---|
| 13 | 認知機能や判断能力 | 認知 |
| 14 | コミュニケーションにおける理解と表出の状況 | コミュニケーション能力 |
| 15 | 生活リズム | 旧に同じ項目なし。旧15は「社会との関わり」 |
| 16 | 排泄の状況 | 排尿・排便 |
| 17 | 清潔の保持に関する状況 | 褥そう・皮膚の問題 |
| 18 | 口腔内の状況 | 口腔衛生 |
| 19 | 食事摂取の状況 | 食事摂取 |
| 20 | 社会との関わり | 旧20は「問題行動」。「社会との関わり」は旧15 |
| 21 | 家族等の状況 | 介護力 |
| 23 | その他留意すべき事項・状況 | 特別な状況 |
No.10の「健康状態」、No.11の「ADL」、No.12の「IADL」、No.22の「居住環境」は、名称が同じです。ただし、例示は書き足されています。
表を読むときに注意したいのは、番号の動きです。旧では15番が「社会との関わり」、20番が「問題行動」でした。新では15番に「生活リズム」が入り、20番が「社会との関わり」になっています。旧20の「問題行動」は、新しい対照表に同じ名前の項目としては残っていません。これについてQ&A問11は、次のように説明しています。
なお、改正前の「№20 問題行動」については、認知機能や判断能力と密接に関わりのある内容であることから、本項目に統合し、併せて情報収集を行うものであるため、留意すること。
統合先の「本項目」は、問11の対象であるNo.13「認知機能や判断能力」です。「問題行動」という欄を様式に残している事業所は、ここが見直しの出発点になります。
項目ごとのQ&Aの読みどころ
Q&Aは、項目ごとに趣旨を説明しています。様式を見直すときに、特に関わりそうな項目を拾います。
No.3 利用者の社会保障制度の利用情報(問5・問6)
「被保険者情報」から「社会保障制度の利用情報」に変わった趣旨を、問5は次のように答えています。
サービスや支援等の検討においては、利用者の被保険者情報に加え、介護保険以外の社会保障制度の利用状況を踏まえ、利用者の健康、障害、経済等の情報を把握する必要があるため、その趣旨を明確にするための見直しを行ったものである。
介護保険の被保険者情報だけでなく、他の制度の利用状況まで含めて把握するために、項目名で趣旨を明確にした、という説明です。問5は続けて、年金の受給状況(年金種別等)を確認して、月々の介護保険サービスにどのくらい支出できるかも確認する必要があると書いています。問6は、「その他の社会保障制度等」の例示として、難病医療費助成制度や生活困窮者自立支援制度のほか、都道府県や市町村が独自に設ける制度を挙げています。
No.5・6 日常生活自立度(問7)
障害高齢者と認知症高齢者のそれぞれの日常生活自立度について、問7は、項目の名称が変わっても確認する内容は変わらないとしています。そのうえで、判定を2つの時点で見ることを書いています。
なお、要介護認定が行われた際の「障害高齢者の日常生活自立度(寝たきり度)」及び「認知症高齢者の日常生活自立度」に加え、要介護認定を受けた時点から利用者の状態が変化していることも想定されるため、介護支援専門員による、現在の利用者の状態を踏まえた判断も併せて確認することが望ましい。
要介護認定を受けた際の判定と、介護支援専門員が見た現在の状態の2つを、併せて確認することが「望ましい」とされています。様式に判定の欄が1つしかない場合は、この2つを書き分けられるかが確認点になります。
No.7 主訴・意向(問8)
「主訴」に「意向」が加わった理由を、問8は次のように説明しています。主訴は、面談の中で最初に発せられた訴えを指すことが多い。しかし、その訴えがどの程度本人の真意を具体的に表現しているかは、利用者や家族等によって違う。単なる訴えから、今後の生活に対する要望や意向を含むものまである。居宅サービス計画(第1表)が、利用者及び家族の生活に対する意向を踏まえた課題分析の結果を記載するものとされていることも考慮して、主訴と意向を記載する表現にした、という流れです。
No.10 健康状態:身長・体重・BMI・血圧(問10)
健康状態の例示には、身長、体重、BMI、血圧が加わりました。問10は、これらの把握には機材が必要で、ケアマネジャーが機材を持って訪問しなければならないのか、と問います。答えは次のとおりです。
今回の改正は、情報収集項目の具体的な内容の例示を加筆したものであり、ケアマネジャーが機材を持参して利用者宅で測定することまでを想定したものではない。
答えは続きます。利用者宅の設備での測定が難しい場合には、本人が利用している医療や介護のサービス等での測定状況(医療機関や通所サービス等の利用時の測定、もしくは健康診断等での測定など)を確認して、情報を収集することが考えられる、としています。
No.13 認知機能や判断能力(問11)
問11は、名称が変わっても把握すべき内容は変わらないことを確認したうえで、意思決定支援の考え方を書いています。意思決定支援は、認知症の診断を受けている高齢者や終末期の治療方針の判断の場面に限るものではなく、日々の暮らしにおける利用者の意思の確認が必要になる、という説明です。だからこそ、日常的な意思決定支援の必要性を判断するために、認知機能の程度や判断能力の状況を確認する、という流れになっています。
No.14 コミュニケーションにおける理解と表出の状況(問12)
問12は、本人のコミュニケーション能力だけでなく、状況全般を把握する理由と中身を説明しています。コミュニケーションの理解の状況に加えて、表出のための視覚や聴覚等の状況も確認すること。意思疎通支援の必要性を把握したうえで、その方法等も確認することが望ましいこと。方法の例として、手話、要約筆記、点訳、代読・代筆などが挙げられ、PCやスマートフォンによるメールやチャットツール、オンライン面談等も、必要に応じて情報収集することが望ましいとされています。
No.15 生活リズム(問13)
新設された項目です。問13によれば、ここで把握するのは、本人の日常的な1週間の生活リズムと1日の生活リズムです。日常的な活動の程度と休息・睡眠の状況は互いに関係するため、1日ないしは1週間程度の単位でとらえる必要がある、とされています。
また、通常の生活リズムとイベントがある日の生活リズムは異なることに留意が必要で、イベントには季節単位のものから、デイサービスの利用のような週単位のものまであると書かれています。他の項目の状況や疾患の状態、服薬の状況とも連動する内容だとも書かれています。
No.17・18・19 清潔の保持・口腔内・食事摂取(問14〜17)
問14は、「褥そうの有無」はNo.10「健康状態」に記載することにしており、それ以外は従来から把握している情報と変わらないと答えています。問15は、口腔内の状況の例示が大幅に加筆されたが全部を収集する必要があるのかという問いで、答えは問3と同じく、すべての情報収集を求めるものではないというものです。口腔内の状況の確認では、必要に応じて歯科医や歯科衛生士とも連携して情報の収集・共有を実施することが望ましい、とも書かれています。
食事摂取の状況では、問16が、摂食嚥下機能の状態と必要な食事の量が新たに追加されたことについて留意点を答えています。問17は、食形態や食事の内容を、本人、家族、ヘルパー等のサービス事業所からのヒアリングで把握しても問題ない、と答えています。
No.21 家族等の状況(問2・問18)
旧の「介護力」が「家族等の状況」になった理由を、問18は次のように答えています。
本人及び家族等の望む生活の実現を目指す観点から、家族等を介護のための資源としてとらえる「介護力」という一面的な捉え方を改めるため、修正したものである。
また、全体で使われている「家族等」の「等」の意味を、問2が説明しています。
近年の社会状況においては、利用者を支える関係者が多様になってきているため、親族関係にある者のみだけでなく意思決定や支援に関わる者という意味を含めて、「家族等」と表記に統一、修正した。
様式の見出しや記入の手引きに「家族」「介護者」と書いている場合は、この「家族等」の意味と、ずれていないかを確認する点になります。
No.23 その他留意すべき事項・状況(問20)
問20は、この項目に記載する内容として、他制度(医療も含む)との連携の必要性の観点が重要だとしています。たとえば、医療依存度の高い方やターミナル期の方は、医療関係者との緊密な連携が必要です。障がいのある方の場合は相談支援専門員との連携が、経済的に困窮している方の場合は生活保護や生活困窮者自立支援制度等の利用の検討が、それぞれ求められます。成年後見制度や地域福祉権利擁護事業等との連携が必要な場合もあります。
さらに、1〜22項目で把握した状況を踏まえて、各項目と重複があっても特に留意が必要な内容がある場合は、その情報を特記事項として本項目に記載してもよい、とも書かれています。
法人のアセスメントシートを見直すときの観点
ここまでの内容を、様式を見直す立場に引き寄せて整理します。これは通知とQ&Aの文言から導いた、弊社の整理です。法人として何をどこまで直すかは、各法人の判断になります。
- 項目名の対応表を作る。上の2つの表のように、現在の様式の欄が新しい23項目のどれにあたるかを、事業所ごとに書き出します。名称が同じ項目と、変わった項目を分けておくと、どこから手を付けるかが見えます。
- 旧「問題行動」の欄を確認する。Q&A問11は、旧20の「問題行動」を新13の「認知機能や判断能力」に統合し、併せて情報収集を行うものだとしています。様式に問題行動の欄がある場合は、新13とどう並べるかを決める必要があります。
- 新15「生活リズム」の欄があるかを確認する。新設の項目なので、旧様式には対応する欄が無いはずです。問13は、1日と1週間の両方で、通常の日とイベントのある日の違いにも留意するよう書いています。
- 新10の身長・体重・BMI・血圧を、どう扱うかを決める。例示に加わりましたが、問10は機材の持参を想定していません。測定状況を医療や通所サービス等から確認して記録できる欄にするのか、自由記載にするのかは、法人の判断です。
- 判定欄を、時点で書き分けられるかを確認する。問7は、要介護認定を受けた際の判定と、介護支援専門員による現在の判断を、併せて確認することが望ましいとしています。
- 例示を、欄にするのか、手引きにするのかを決める。問3の「すべての情報収集を行うことを求めるものではない」を踏まえると、例示を全部欄にするかどうかは、運用のしやすさで決めてよい論点です。
記録の側では、基準第29条第2項が、アセスメントの結果の記録を、完結の日から二年間保存することを求めています。条文が書いているのは「アセスメントの結果の記録」で、特定の様式ではありません。様式を新しい項目名に変えると、利用者によっては、旧様式で取った記録と新様式で取った記録が、保存期間のあいだ並ぶことになります。どちらも記録として残す前提で、様式の改訂日を管理しておくと、あとで確認しやすくなります。
アセスメントシートの様式を電子化して、項目名や記入欄の見直しを1か所で管理したい法人は、「社福BOX」のアセスメントシートのような仕組みを使う方法もあります。ただし、仕組みを入れる前に、まず上の対応表を作り、新しい項目名と欄の持ち方を法人として決めておくことが先です。
この記事で書いていないこと
通知とQ&Aの抜粋に書かれていない論点は、断定しません。
| 論点 | 書かなかった理由 |
|---|---|
| 施行日・経過措置 | 抜粋した通知とQ&Aに記載が無い |
| 居宅サービス計画書(第1〜7表)の様式の改正内容 | 抜粋の対象は課題分析標準項目で、様式の改正内容は含まれない |
| 施設サービス計画・介護予防の様式 | 抜粋に記載が無い |
| 「適切なケアマネジメント手法」の中身 | Q&Aは位置づけに触れるだけで、内容は示されていない |
| 自治体の運営指導の運用 | 抜粋はQ&Aの保険者向けの記述までで、運用の実態は示されない |
| 基準が標準項目に沿うことを求めているか | 抜粋した第13条・第29条に「課題分析標準項目」の語は無い |
| 第29条の「完結の日」がいつか | 抜粋した条文に、完結の日の定義は置かれていない |
制度の細部は、通知やQ&Aの原文、所管する自治体の案内で確かめてください。
まとめ
- 課題分析標準項目は23項目で、No.1〜9が基本情報に関する項目、No.10〜23が課題分析(アセスメント)に関する項目です。令和5年10月16日の老認発1016第1号で改正が示されました。
- Q&A問1は、項目の名称や例示が現状にそぐわなくなっていたことと、「適切なケアマネジメント手法」との整合を、改正の理由に挙げています。そのうえで「情報収集項目がこれまでと変わるわけでない」と書いています。
- 名称が変わった項目があり、No.15「生活リズム」は新設されました。旧20の「問題行動」は、新13の「認知機能や判断能力」に統合されたと説明されています。
- 「項目の主な内容(例)」は例示で、すべての情報収集を求めるものではありません。保険者向けには、例示が把握されていないことのみをもって基準違反としないよう留意を求めています。
- 基準は、アセスメントの結果の記録を完結の日から二年間保存することを求めています。標準項目と基準の関係、施行日、様式の改正内容は、この記事の抜粋からは決まりません。
参考にした一次情報
- 指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準|e-Gov法令検索:第13条、第29条
- 介護保険最新情報Vol.1178(老認発1016第1号・令和5年10月16日)|厚生労働省:課題分析標準項目の新旧対照表
- 介護保険最新情報Vol.1179(課題分析標準項目の改正に関するQ&A・令和5年10月16日)|厚生労働省:問1〜問20
法人のアセスメントシートの項目名を、新しい23項目と見比べられていますか?
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