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運営推進会議とは|開催頻度の違いと記録・公表義務をサービス別に整理

「運営推進会議はおおむね6か月に1回」——この理解のまま、複数の地域密着型サービスを運営している法人様は少なくありません。実は、開催頻度は省令の準用・読替え規定によってサービスごとに違います。 6か月に1回のところもあれば、2か月に1回、12か月に1回のところもあります。

自治体のホームページや介護ソフトの解説記事は、自法人の様式と提出先を案内するものがほとんどで、なぜサービスによって頻度が違うのか、根拠条文までさかのぼって説明したものはあまり見かけません。 この記事では、指定地域密着型サービスの運営基準(平成18年厚生労働省令第34号)の条文に沿って、開催頻度の違いが生まれる仕組みと、記録・公表・保存年限までの実務を整理します。

運営推進会議とは何か。根拠は運営基準第34条

運営推進会議は、地域密着型通所介護の運営基準である指定地域密着型サービスの運営基準第34条第1項に定められています。

利用者、利用者の家族、地域住民の代表者、指定地域密着型通所介護事業所が所在する市町村の職員又は当該指定地域密着型通所介護事業所が所在する区域を管轄する法第百十五条の四十六第一項に規定する地域包括支援センターの職員、地域密着型通所介護について知見を有する者等により構成される協議会

利用者・家族・地域住民の代表者・市町村職員・地域包括支援センターの職員・有識者という構成が、条文上の要件です。人選を「なんとなく地域の顔役に依頼している」という運用も見かけますが、条文はこの5類型を挙げており、市町村職員と地域包括支援センターの職員は欠かせない構成員として名指しされています。

この協議会を設置したうえで、事業者は次の4つの動作を行うことが義務づけられています。

おおむね六月に一回以上、運営推進会議に対し活動状況を報告し、運営推進会議による評価を受けるとともに、運営推進会議から必要な要望、助言等を聴く機会を設けなければならない。

「おおむね六月に一回以上」という頻度は、あくまで地域密着型通所介護における基準です。ほかのサービスでは、この「六月」の部分が読み替えられていることを、次の章で説明します。

開催頻度が違う理由は「準用」と「読替え」の構造にある

運営推進会議(定期巡回・随時対応型訪問介護看護では「介護・医療連携推進会議」)は、地域密着型通所介護・療養通所介護・認知症対応型通所介護・小規模多機能型居宅介護・認知症対応型共同生活介護(グループホーム)・地域密着型特定施設入居者生活介護・地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護・看護小規模多機能型居宅介護・定期巡回随時対応型訪問介護看護の、すべてのサービスに置かれています。

条文の作りとしては、運営推進会議の骨格を定める本則の条文は地域密着型通所介護(第34条)と定期巡回・随時対応型訪問介護看護(第3条の37)にそれぞれ独立して置かれ、ほかのサービスの章では「第三十四条の規定は、○○について準用する」という準用規定を置いたうえで、条文中の「六月」という語を別の月数に読み替える、という形が取られています。

つまり、協議会を設置し、報告し、評価を受け、要望・助言を聴くという義務の中身自体はどのサービスも共通で、変わっているのは「おおむね何月に一回以上」の月数だけ、という構造です。この読替えの仕組みを知らずに「うちのサービスは何か特別な会議を新設しなければいけないのか」と身構えてしまうケースがありますが、実際は既存の運営推進会議の枠組みに、月数だけが個別に指定されている形です。

サービス別 運営推進会議(介護・医療連携推進会議)の開催頻度一覧

準用・読替えの構造を踏まえたうえで、サービスごとの開催頻度を一覧にすると次のとおりです。

サービス会議の名称頻度根拠
地域密着型通所介護運営推進会議おおむね6月に1回以上第34条第1項
療養通所介護運営推進会議おおむね12月に1回以上第40条の16(「六月」→「十二月」と読替え)
認知症対応型通所介護運営推進会議おおむね6月に1回以上(読替えなし)第61条
小規模多機能型居宅介護運営推進会議おおむね2月に1回以上第88条(「六月」→「二月」)
認知症対応型共同生活介護運営推進会議おおむね2月に1回以上第108条(「六月」→「二月」)
地域密着型特定施設入居者生活介護運営推進会議おおむね2月に1回以上第129条(「六月」→「二月」)
地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護運営推進会議おおむね2月に1回以上第157条(「六月」→「二月」)
看護小規模多機能型居宅介護運営推進会議おおむね2月に1回以上第182条(「六月」→「二月」)
定期巡回・随時対応型訪問介護看護介護・医療連携推進会議おおむね6月に1回以上第3条の37第1項

小規模多機能型居宅介護・認知症対応型共同生活介護(グループホーム)・地域密着型特定施設入居者生活介護・地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護・看護小規模多機能型居宅介護の5サービスは「2月に1回以上」と、地域密着型通所介護の4倍の頻度が求められています。いずれも入居・宿泊を伴う小規模なサービスで、日常的な地域との関わりが重視されていることが読み取れます。逆に、療養通所介護だけは「12月に1回以上」と、地域密着型通所介護の半分の頻度に緩和されています。

複数のサービス種別を運営している法人様では、事業所ごとに開催すべき頻度が異なるため、「前回いつ開催したか」だけでなく「そのサービスの基準は何月に1回か」を事業所単位で管理しておく必要があります。

定期巡回・随時対応型訪問介護看護だけは名称も構成員も違う

一覧表のとおり、定期巡回・随時対応型訪問介護看護だけは会議の名称が「運営推進会議」ではなく「介護・医療連携推進会議」です。名称が違うだけでなく、構成員の要件にも違いがあります。

第3条の37第1項の構成員は次のとおりです。

利用者、利用者の家族、地域住民の代表者、地域の医療関係者、指定定期巡回・随時対応型訪問介護看護事業所が所在する市町村の職員又は当該指定定期巡回・随時対応型訪問介護看護事業所が所在する区域を管轄する法第百十五条の四十六第一項に規定する地域包括支援センターの職員、定期巡回・随時対応型訪問介護看護について知見を有する者等により構成される協議会

先に引用した第34条(地域密着型通所介護)の構成員と見比べると、「地域の医療関係者」という一節が、定期巡回・随時対応型訪問介護看護の条文にだけ追加で入っています。 運営推進会議の条文にはこの文言がありません。

定期巡回・随時対応型訪問介護看護は訪問看護と訪問介護を一体的に提供し、医療との連携を前提としたサービスです。会議の名称に「医療」の文字が入っているのも、構成員に地域の医療関係者が明示されているのも、サービスの性質を反映した規定と言えます。地域の医療関係者を誰に依頼するかは条文上の指定がないため、地区医師会や連携先の医療機関の担当者に事前協議することになります。

義務は「開催」だけで終わらない。条文が課す4つの動作

運営推進会議・介護・医療連携推進会議のどちらも、条文が求めているのは「開催すること」だけではありません。第34条第1項を分解すると、事業者に課されている動作は次の4つです。

  1. 協議会を設置すること
  2. 運営推進会議に対して活動状況を報告すること
  3. 運営推進会議による評価を受けること
  4. 運営推進会議から必要な要望・助言等を聴く機会を設けること

「開催して、状況を説明して終わり」という運用を見かけることがありますが、条文は評価を受けること、要望・助言を聴く機会を設けることまで求めています。議事録に「報告した内容」だけが残っていて、構成員からの意見や評価のやり取りが記載されていない場合、この4つ目の要素が形として残っていないことになります。議事録には、報告事項とあわせて、構成員からの評価・要望・助言の発言も記録しておくことが望ましいところです。

利用者からの苦情への対応体制も、運営基準上は別の条文で義務づけられている事項です。運営推進会議で構成員から寄せられた意見と、日常の苦情対応窓口とを混同しないよう整理しておくと、法人としての説明もしやすくなります。苦情対応の体制については社会福祉法人の苦情解決の仕組みで整理していますので、あわせてご確認ください。

記録の作成・公表はセットで義務。保存年限は2年

会議を開催したあとの実務として見落とされやすいのが、記録の作成と公表です。第34条第2項は次のとおり定めています。

指定地域密着型通所介護事業者は、前項の報告、評価、要望、助言等についての記録を作成するとともに、当該記録を公表しなければならない。

「記録を作成する」ことと「記録を公表する」ことが同じ項に、セットで課されています。 議事録を作成しただけで、事業所内に留め置いている状態では、この義務を満たしていません。多くの自治体では、事業所の掲示板への掲示やホームページへの掲載、市町村への提出などの方法で公表することが案内されています。公表の方法・様式は自治体ごとに異なるため、所在市町村の要領での確認が必要です。

この記録は、運営基準上の記録の保存対象としても位置づけられています。第36条第2項は次のように定めています。

指定地域密着型通所介護事業者は、利用者に対する指定地域密着型通所介護の提供に関する次の各号に掲げる記録を整備し、その完結の日から二年間保存しなければならない。

保存すべき記録の一つとして、次の号が挙げられています。

第三十四条第二項に規定する報告、評価、要望、助言等の記録

つまり、運営推進会議の記録(第34条第2項の記録)は、完結の日から2年間の保存義務が運営基準上かかっています。

※保存年限については、都道府県・市町村の条例で運営基準の内容が定められており、自治体によっては3年・5年など、2年より長い期間を条例で定めている場合があります。実際に何年保存すべきかは、所在自治体の条例と指定基準の確認が必須です。

テレビ電話装置等の活用は条文上OK。ただし利用者等の参加には同意が必要

新型コロナウイルス感染症の拡大以降、運営推進会議をオンラインで開催する事業所が増えました。この運用は条文上も認められています。第34条第1項の協議会の定義には、次の括弧書きが置かれています。

(テレビ電話装置等を活用して行うことができるものとする。ただし、利用者等が参加する場合にあっては、テレビ電話装置等の活用について当該利用者等の同意を得なければならない。)

テレビ電話装置等の活用そのものは、条文上明確に認められています。 ただし、見落とされやすいのが後段のただし書きです。利用者またはその家族が会議に参加する場合には、テレビ電話装置等の活用について、その利用者等本人の同意を得ることが条件とされています。

構成員のうち市町村職員や地域包括支援センターの職員、有識者だけがオンライン参加する分には、この同意の規定は関係ありません。一方で、利用者や家族に会議への参加を依頼している事業所では、オンライン開催に切り替える前に、その利用者・家族へ個別に同意を取る手続きが必要ということです。この同意の取得と記録は、重要事項説明の場面であわせて説明しておくと、運用がスムーズになります。運営推進会議の開催方法や参加の呼びかけ方を、利用者・家族への説明にどう落とし込むかは、重要事項説明書の記載事項ともあわせて整理しておくとよいでしょう。

事業所として押さえておきたいこと

  • 運営推進会議は指定地域密着型サービスの運営基準第34条第1項(定期巡回・随時対応型訪問介護看護は第3条の37第1項)に定められている
  • 開催頻度の基準は「おおむね六月に一回以上」だが、サービスごとの準用・読替え規定によって月数が変わる(療養通所介護は12月、小規模多機能・グループホーム等5サービスは2月)
  • 定期巡回・随時対応型訪問介護看護だけは名称が「介護・医療連携推進会議」で、構成員に「地域の医療関係者」が明示されている
  • 義務は開催だけでなく、設置・報告・評価を受ける・要望や助言を聴く機会を設ける、の4つの動作がセット
  • 会議の記録は作成と公表がセットで義務(第34条第2項)。完結の日から2年間の保存義務もある(第36条第2項第七号)。ただし自治体の条例で保存年限が延長されている場合がある
  • テレビ電話装置等の活用は条文上認められているが、利用者・家族が参加する場合はその者の同意が必要

会議の開催記録と公表状況を法人本部から一覧管理したい法人様へ

運営推進会議・介護・医療連携推進会議は、事業所ごとに開催すべき頻度が異なり、記録の作成・公表・2年間の保存まで、複数のサービスにまたがって管理する必要があります。事業所数が増えるほど、「どの事業所が、いつ開催し、記録をいつ公表したか」が法人本部から見えにくくなります。

パレットテクノロジーズでは、社会福祉法人・介護サービス事業所向けに、事業所ごとの会議の開催実績・記録の公表状況・次回開催予定日をkintoneで一元管理するご支援をしています。「どの事業所が、いつ会議を開催し、記録をいつ・どの方法で公表したか」を法人本部から一覧で見られるようにするところから始められます。

参考にした一次情報

  • 指定地域密着型サービスの事業の人員、設備及び運営に関する基準(平成18年厚生労働省令第34号)第3条の37第1項・第34条第1項及び第2項・第36条第2項第七号(e-Gov法令検索)

※運営推進会議の様式・提出先・記録の保存年限・公表の方法は市町村の条例と要領によって異なります。実際の運用にあたっては事業所の所在市町村の手引で必ずご確認ください。

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