「個別機能訓練加算の(Ⅰ)イと(Ⅰ)ロは何が違うのか」「機能訓練指導員が休みの日は、加算を取れないのか」「特養の(Ⅰ)(Ⅱ)(Ⅲ)は、通所介護と同じ考え方でよいのか」。同じ名前の加算でも、サービスごとに区分も単位数も人員の求め方も違うため、実地指導や監査の前に整理し直したくなる加算です。
この記事では、厚生労働省の通知、告示、Q&Aのうち、令和8年11月7日に取得した原文に書かれている範囲だけを使って、区分の違いと算定の要件を整理します。条文から言えることと言えないことは分けて書きます。計算例は弊社が置いた仮の数字です。
この記事の前提(見た資料と版)
使った資料は次の4つです。
- 留意事項通知(平成12年老企第36号・第40号)の、令和6年度改定時の新旧対照表(抄)の「新」の列
- 令和6年3月の告示(厚生労働省告示第86号)の新旧対照表の「改正後」の列
- 令和6年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.1)(令和6年3月15日)
- 厚生労働省「介護報酬の算定構造」(令和8年6月改定反映版)
令和8年6月施行の改定でこの加算の本体が変わっていないことは確認しましたが、令和7年中の通知の改正が反映されているかは確認できていません。最新のQ&Aも含めて、算定の前に自治体や最新の通知でご確認ください。
先に結論
- 通所介護の個別機能訓練加算は、(Ⅰ)イが1日56単位、(Ⅰ)ロが1日76単位、(Ⅱ)が1月20単位です。特養(介護福祉施設サービス)は、(Ⅰ)が1日12単位、(Ⅱ)と(Ⅲ)が1月20単位です。
- 通所介護の(Ⅰ)イとロは、専ら機能訓練指導員の職務に従事する理学療法士等を事業所に1名以上配置することが土台です。ロはそれに加えて、さらに1名以上を配置します。
- ロを算定できるのは、2名以上の理学療法士等がそろっている時間帯に、その理学療法士等から訓練を受けた利用者だけです(Q&A問57)。
- 理学療法士等が1名しか確保できない日は、ロに代えてイを算定して差し支えありません(Q&A問55)。ただし、営業日ごとの配置体制を、利用者にあらかじめ説明しておく必要があります。
- 計画を作り、開始時とその3月ごとに1回以上、利用者に計画の内容を説明して記録することが、施設系の項に書かれています。
- LIFEの提出は施設系の項に書かれていますが、この抜粋では、通所介護の(Ⅱ)にLIFEが要る旨を確かめられていません。区分ごとのLIFE要件は、最新の通知で確認が必要です。
区分と単位数
「介護報酬の算定構造」の表の見出しから確認できる単位数は、次のとおりです。
| サービス | 区分 | 単位数 |
|---|---|---|
| 通所介護 | (Ⅰ)イ | 1日につき56単位 |
| 通所介護 | (Ⅰ)ロ | 1日につき76単位 |
| 通所介護 | (Ⅱ) | 1月につき20単位 |
| 介護福祉施設サービス | (Ⅰ) | 1日につき12単位 |
| 介護福祉施設サービス | (Ⅱ) | 1月につき20単位 |
| 介護福祉施設サービス | (Ⅲ) | 1月につき20単位 |
| 地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護 | (Ⅰ)〜(Ⅲ) | 12単位、20単位、20単位 |
| 認知症対応型通所介護 | (Ⅰ) | 1日につき27単位 |
| 認知症対応型通所介護 | (Ⅱ) | 1月につき20単位 |
| 短期入所生活介護 | 区分なし | 1日につき56単位 |
地域密着型通所介護の個別機能訓練加算(Ⅰ)ロが76単位であることは、告示の注にも書かれています。ただし、算定構造の表からは、そのページの見出しが読み取れなかったため、この表には入れていません。介護予防サービスの単位数も別にあります。
表のとおり、通所介護では(Ⅰ)が「イ」と「ロ」に分かれ、特養では(Ⅰ)(Ⅱ)(Ⅲ)が並ぶという構造の違いがあります。「個別機能訓練加算1と2の違い」を調べているときは、まず、どのサービスの話かを決める必要があります。
単位数の仮の計算例(弊社の仮の数字)
通所介護で、1か月に20日利用された方がいるとします。
- 20日すべて(Ⅰ)イの場合:56単位 × 20日 = 1,120単位
- うち10日は2名以上の理学療法士等がそろう時間帯に訓練を受け、(Ⅰ)ロに当たり、残り10日は(Ⅰ)イの場合:76単位 × 10日 + 56単位 × 10日 = 760単位 + 560単位 = 1,320単位
差は200単位で、(Ⅰ)ロに当たる日1日あたり20単位の差が、10日分積み上がった計算です。単位数のみの計算で、円への換算や、ほかの加算との組み合わせは含めていません。
通所介護の算定要件
加算の趣旨と、機能訓練指導員の資格
通所介護の個別機能訓練加算について、留意事項通知は、まず次のとおり趣旨を述べています。
利用者ごとに心身の状態や居宅の環境をふまえた個別機能訓練計画を作成し、当該計画に基づき計画的に機能訓練を行うことで、利用者の生活機能(身体機能を含む。以下⒀において同じ。)の維持・向上を図り、住み慣れた地域で居宅において可能な限り自立して暮らし続けることを目指すため設けられたものである。
「利用者ごとの計画」と「計画に基づく計画的な訓練」の2つが、加算の中心です。さらに、次のとおり書かれています。
本加算の算定にあたっては、加算設置の趣旨をふまえた個別機能訓練計画の作成及び個別機能訓練が実施されなければならない。
訓練を行う人の資格は、同じ通知の冒頭で、「理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、看護職員、柔道整復師、あん摩マッサージ指圧師、はり師又はきゅう師」が挙がっています。この記事では、これらをまとめて、通知の言い方どおり「理学療法士等」と書きます。はり師・きゅう師には、次のただし書きがあります。
(はり師及びきゅう師については、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、看護職員、柔道整復師又はあん摩マッサージ指圧師の資格を有する機能訓練指導員を配置した事業所で6月以上機能訓練指導に従事した経験を有する者に限る。)
はり師・きゅう師は、資格だけでは足りず、一定の事業所での6月以上の従事経験が条件になっています。
(Ⅰ)ロの人員配置
(Ⅰ)イの配置要件の原文は、この抜粋では(略)になっています。(Ⅰ)ロの項に、その内容が引かれています。(Ⅰ)ロについては、次のとおり書かれています。
(Ⅰ)イの専ら機能訓練指導員の職務に従事する理学療法士等を1名以上配置することに加えて、専ら機能訓練指導員の職務に従事する理学療法士等を1名以上配置すること。
つまり、(Ⅰ)イは「専ら機能訓練指導員の職務に従事する理学療法士等を1名以上」、(Ⅰ)ロはそれに「さらに1名以上」を足した配置です。Q&A問54では、合計で同時に2名以上の理学療法士等を配置する必要があるのかという問いに、「貴見のとおり」と答えています。
ロは、2名以上そろう時間帯の利用者だけ
通知には、時間帯ごとの考え方も書かれています。
ただし、この場合、当該加算を算定できる人員体制を確保している時間はあらかじめ定められ、利用者や居宅介護支援事業者に周知されている必要がある。
Q&A問57は、サービス提供時間が9時から17時の事業所で、9時から12時と10時から13時に、それぞれ専ら機能訓練指導員の職務に従事する理学療法士等を1名ずつ配置した例を挙げ、次のように答えています。
10時から12時までに当該理学療法士等から個別機能訓練を受けた利用者に対してのみ、個別機能訓練加算(Ⅰ)ロを算定することができる。
その外側の時間帯については、次のとおりです。
9時から10時、12時から13時に当該理学療法士等から個別機能訓練を受けた利用者については、個別機能訓練加算(Ⅰ)イを算定することができる。
ここから、ロとイを分けるのは、事業所の1日の体制ではなく、その利用者がどの時間帯に、誰から訓練を受けたかだと読めます。そのため、利用者ごとに、訓練を行った時間帯と実施者を記録しておく必要があります。これは弊社の読み方です。
機能訓練指導員が休みの日はどうなるか
「個別機能訓練加算 機能訓練指導員 休み」で調べる方の多くが知りたいのは、理学療法士等が1名しかいない日や、欠勤の日の扱いです。Q&A問55の答えは、次のとおりです。
差し支えない。ただし、専ら機能訓練指導員の職務に従事する理学療法士等を1名以上配置しているのみの場合と、これに加えて専ら機能訓練指導員の職務に従事する理学療法士等を1名以上配置している場合では、個別機能訓練の実施体制に差が生じるものであることから、営業日ごとの理学療法士等の配置体制について、利用者にあらかじめ説明しておく必要がある。
この答えが認めているのは、1名しか確保できない日に、ロに代えてイを算定することです。1名もいない日にイを算定してよいとは、この答えからは読めません。この記事で確かめた資料の範囲では、理学療法士等が1名もいない日の扱いは、書かれていません。
配置の考え方については、次の2点も確認できます。
- 配置する時間の定めはありません。Q&A問53は、具体的な配置時間の定めはないとしたうえで、計画の策定、訓練時間、効果の評価に必要な時間を踏まえて配置するよう求めています。また、次のとおり答えています。
当該機能訓練指導員は専従で配置することが必要であるが、常勤・非常勤の別は問わない。
- 病院などとの連携で確保することは、認められていません。Q&A問56は、次のとおり答えています。
個別機能訓練加算(Ⅰ)イ及びロについては、いずれの場合も、当該加算を算定する事業所に理学療法士等を配置する必要があることから、事業所以外の機関との連携により確保することは認められない。
「休みの日に、病院のリハビリ職に来てもらう」という形では、イもロも満たせないことになります。また、通所介護事業所の機能訓練指導員の配置基準との関係について、Q&A問58は次のとおりです。
この基準により配置された機能訓練指導員が「専ら機能訓練指導員の職務に従事する理学療法士等」である場合は、個別機能訓練加算(Ⅰ)の算定要件の一つである「専ら機能訓練指導員の職務に従事する理学療法士等を1名以上配置」を満たすものとして差し支えない。
人員基準で配置している機能訓練指導員が、専ら機能訓練指導員の職務に従事する理学療法士等であれば、その方で(Ⅰ)の配置要件を満たせる、という意味です。看護職員が機能訓練指導員を兼ねる場合については、通知に次の定めがあります。
なお、指定通所介護事業所の看護職員が当該加算に係る機能訓練指導員の職務に従事する場合には、当該職務の時間は、指定通所介護事業所における看護職員としての人員基準の算定に含めない。
看護職員が機能訓練に従事した時間は、看護職員としての人員基準の時間に数えられません。勤務割りと勤務形態一覧表・常勤換算の作り方に、影響するところです。
(Ⅰ)イを算定している場合のロ
告示には、イとロの関係が次のとおり書かれています。
ただし、個別機能訓練加算(Ⅰ)イを算定している場合には、個別機能訓練加算(Ⅰ)ロは算定しない。
同じ利用者に、同時にイとロを算定する形にはなりません。Q&A問57の例のとおり、同じ利用者でも、日によって、あるいは時間帯によって、イかロかが変わることはあります。
(Ⅱ)について、この記事で確かめた範囲
通所介護の(Ⅱ)は、1月につき20単位です。ただし、通知の抜粋では、通所介護の(Ⅱ)の要件の部分が(略)になっており、LIFEの提出が要るのか、どんな訓練が対象か、といった要件は、この記事の資料からは読み取れていません。通所介護の(Ⅱ)の要件は、最新の通知で確認してください。
特養(介護福祉施設サービス)の算定要件
区分と、告示が定める共通の枠組み
特養の告示は、次のとおり書いています。
機能訓練指導員、看護職員、介護職員、生活相談員その他の職種の者が共同して、入所者ごとに個別機能訓練計画を作成し、当該計画に基づき、計画的に機能訓練を行っている場合は、当該基準に掲げる区分に従い、⑴については1日につき、⑵及び⑶については1月につき、次に掲げる単位数を所定単位数に加算する。
特養では、(Ⅰ)が1日あたり、(Ⅱ)と(Ⅲ)が1月あたりで、単位数は先の表のとおりです。いずれも「多職種が共同して、入所者ごとの計画を作り、計画に基づいて訓練する」ことが共通の枠組みです。届出は、都道府県知事に対して電子情報処理組織を使って行う、と告示にあります(地域密着型は市町村長)。
施設系の項に書かれた要件の読み方
ここからは、施設系サービスの留意事項(平成12年老企第40号)の「個別機能訓練加算」の項の文言を読みます。この項の文言には、「当該特定施設」という言い方と、「介護福祉施設サービス」という言い方が、両方出てきます。そのため、特養の(Ⅰ)〜(Ⅲ)に、どの文言がどこまで当てはまるかは、通知の特養の項の原文で確認が必要です。ここでは、抜粋の範囲で言えることだけを書きます。
まず、訓練の担い手と配置です。
個別機能訓練加算に係る機能訓練は、専ら機能訓練指導員の職務に従事する機能訓練指導員、看護職員、介護職員、生活相談員その他の職種の者を1名以上配置して行うものであること。
次に、計画の作成と評価です。
個別機能訓練を行うに当たっては、機能訓練指導員、看護職員、介護職員、生活相談員その他の職種の者が共同して、利用者ごとにその目標、実施方法等を内容とする個別機能訓練計画を作成し、これに基づいて行った個別機能訓練の効果、実施方法等について評価等を行う。
「計画の作成」だけでなく、「実施した訓練の効果などについての評価」までが含まれています。特養には、施設サービス計画との関係も書かれています。
なお、介護福祉施設サービスにおいては、個別機能訓練計画に相当する内容を施設サービス計画の中に記載する場合は、その記載をもって個別機能訓練計画の作成に代えることができるものとすること。
つまり、特養では、個別機能訓練計画に相当する内容が施設サービス計画の中に書かれていれば、別に計画書を作らなくてもよい場合があります。リハビリ計画との関係は、リハビリテーション計画書の記事も参考になります。
計画の説明は、開始時と3月ごと
計画の説明については、次のとおり書かれています。
個別機能訓練を行う場合は、開始時及びその3月ごとに1回以上利用者に対して個別機能訓練計画の内容を説明し、記録する。
「開始時」と「3月ごとに1回以上」の2つのタイミングで、説明して、記録することが求められています。説明は、テレビ電話装置等を活用できますが、条件があります。
ただし、テレビ電話装置等の活用について当該利用者の同意を得なければならないこと。
説明の日付、説明した相手、説明した内容を記録として残せるようにしておくと、確認しやすくなります。これは弊社の整理です。
記録の保管と閲覧
訓練の記録についても、次のとおり書かれています。
個別機能訓練に関する記録(実施時間、訓練内容、担当者等)は、利用者ごとに保管され、常に当該特定施設の個別機能訓練の従事者により閲覧が可能であるようにすること。
記録に書く項目として、実施時間、訓練内容、担当者が例に挙げられています。「利用者ごとに保管」「従事者がいつでも見られる」の2点が要です。
LIFEの提出とPDCA
LIFEについては、次のとおり書かれています。
厚生労働省への情報の提出については、「科学的介護情報システム(Long-term care Information system For Evidence)」(以下「LIFE」という。)を用いて行うこととする。
提出する情報や頻度は、別の通知を参照するとされています。LIFEの考え方は、LIFE関連加算のデータ提出の記事で整理しています。この項の文言は、区分ごとに分けて書かれていないため、どの区分でLIFEの提出が要るのかは、この抜粋からは決まりません。区分ごとの要件は、特養の項の原文と、最新のLIFE関連の通知で確認してください。
(Ⅲ)の口腔・栄養との一体的取組
(Ⅲ)については、次のとおり書かれています。
個別機能訓練加算(Ⅲ)における個別機能訓練、口腔、栄養の一体的取組についての基本的な考え方は別途通知(「リハビリテーション・個別機能訓練、栄養、口腔の実施及び一体的取組について」)を参考とし、関係職種間で共有すべき情報は、同通知の様式1-4を参考とした上で、常に当該事業所の関係職種により閲覧が可能であるようにすること。
(Ⅲ)は、機能訓練、口腔、栄養の一体的な取組を前提にした区分と読めます。関係職種が共有する情報は、別通知の様式1-4を参考にして、いつでも閲覧できるようにしておくことが求められています。別通知の中身は、この記事の資料には入っていません。
機能訓練がめざす内容
同じ通知の別の項(⑿)には、この加算の目的についての文言があります。ただし、その項がどのサービスについてのものかは、抜粋からは確定できないため、考え方の参考として引きます。
個別機能訓練加算は、心身機能への働きかけだけでなく、ADL(食事、排泄、入浴等)やIADL(調理、洗濯、掃除等)などの活動への働きかけや、役割の創出や社会参加の実現といった参加への働きかけを行い、心身機能、活動、参加といった生活機能にバランスよく働きかけるものである。
体の機能の訓練だけでなく、日常生活の動作や、役割・社会参加まで含めて目標を考える、という趣旨です。
区分の違いの整理(通所介護)
| 比べる点 | (Ⅰ)イ | (Ⅰ)ロ |
|---|---|---|
| 単位数 | 1日56単位 | 1日76単位 |
| 理学療法士等の配置 | 専ら機能訓練指導員の職務の者を1名以上 | イに加えて、さらに1名以上 |
| 算定できる利用者 | 理学療法士等から訓練を受けた利用者 | 2名以上そろう時間帯に、その方から訓練を受けた利用者 |
(Ⅱ)は、先に書いたとおり、この記事の資料では要件の中身まで確認できていません。
届出と算定開始
告示は、通所介護の個別機能訓練加算の対象を、次のように書いています。
電子情報処理組織を使用する方法により、都道府県知事に対し、老健局長が定める様式による届出を行った指定通所介護の利用者に対して、機能訓練を行っている場合には、当該基準に掲げる区分に従い、
つまり、届出を行った事業所の利用者に対して機能訓練を行っている場合に算定できる、という構造です。届出の様式、いつから算定できるか、体制が変わったときの変更の届出は、この資料の範囲では確認できていません。体制届の一般論は、自治体の手引きで確認してください。
また、イをロより先に取り下げる、といった切り替えの手続きは、この資料には書かれていません。1名しか確保できない日にイを算定するQ&Aの扱いは、先に書いたとおりです。
記録として残すもの
抜粋の文言から言えるものと、弊社の整理を分けて書きます。
抜粋の文言から言えるもの
- 利用者ごとの個別機能訓練計画(目標、実施方法などを内容とするもの)
- 計画に基づく訓練の実施の記録(実施時間、訓練内容、担当者)
- 訓練の効果、実施方法などについての評価
- 開始時と3月ごとの、計画の内容の説明と記録
- テレビ電話装置等で説明した場合の、利用者の同意
- 通所介護の(Ⅰ)ロを算定する場合の、人員体制を確保している時間(あらかじめ定め、利用者や居宅介護支援事業者に周知)
- 営業日ごとの理学療法士等の配置体制の、利用者への事前の説明
弊社の整理
条文には書かれていませんが、確認の場面で次の点がすぐ分かると、整理しやすくなります。
- 日ごとの、理学療法士等の氏名と、配置時間帯
- 利用者ごとの、訓練を受けた時間帯と、訓練を行った理学療法士等の氏名((Ⅰ)イとロの区別のため)
- 計画の作成日、説明した日、次に説明する予定日(3月の起算の確認のため)
算定できない場合・よくある誤り
抜粋に根拠があるものだけを挙げます。
- 事業所以外の機関との連携で、理学療法士等を確保した。Q&A問56のとおり、イもロも認められません。
- 理学療法士等が1名の時間帯の利用者に、ロを算定した。Q&A問57のとおり、ロは2名以上そろう時間帯に、その方から訓練を受けた利用者だけです。1名だけの時間帯はイです。
- 看護職員が機能訓練指導員を兼ねた時間を、看護職員の人員基準にも数えた。通知は、その時間を看護職員としての人員基準に含めないとしています。
- イを算定する利用者に、あわせてロを算定した。告示は、イを算定している場合にロは算定しないと書いています。
- ロを算定する時間帯を、利用者や居宅介護支援事業者に周知していない。通知は、周知されている必要があるとしています。
- 特養などで、開始時・3月ごとの計画の説明と記録が抜けた。説明して記録することが、通知に書かれています。
なお、告示には、個別機能訓練加算の注(通所介護の注13)を算定している場合の、別の加算の扱いを定めた箇所があります。どの加算の話か、この抜粋の範囲では特定できていません。他の加算と組み合わせて算定するときは、告示の原文で確認してください。
日々の記録・台帳でどう満たすか(弊社の整理)
通知やQ&Aから、確認で聞かれそうな点を逆算すると、記録は次のような形でまとめると追いやすくなります。以下は、弊社の整理であり、通知の書式の指定ではありません。
- 日ごとの配置表:機能訓練指導員(理学療法士等)の氏名、資格、勤務時間帯、専従かどうか。休みの日は「1名のみ」「ゼロ」が見えるようにする
- 利用者ごとの訓練記録:訓練の日時、実施者の氏名、訓練内容。通所介護では、その時間帯に2名以上そろっていたかが、記録から追えるようにする
- 計画と説明の台帳:計画の作成日、開始時の説明日、3月ごとの説明予定日と実施日、同意の有無(テレビ電話の場合)
- 算定区分の一覧:利用者ごと、日ごとに、イかロかを残す
拠点や利用者が多いと、計画の更新日、説明日、勤務表をあちこちから集め直す手間が大きくなります。配置表、訓練記録、計画の説明日を同じ台帳で持っておくと、配置と算定区分の突き合わせが楽になります。
この記事で書いていないこと
次の点は、今回確かめた資料の範囲に書かれていません。この記事でも書きません。
- 通所介護の(Ⅱ)の要件の中身、LIFEの提出が要る区分:抜粋の該当部分が(略)か、区分ごとに書かれていません
- 特養の(Ⅰ)〜(Ⅲ)の区分ごとの人員・計画・実績の要件:区分ごとの文言は、通知の原文での確認が必要です
- 理学療法士等が1名もいない日の算定の扱い
- 届出の様式、算定開始の時期、変更の届出
- 別通知(LIFE関連、リハビリ・口腔・栄養の一体的取組)の中身
- 令和7年中の通知改正、最新のQ&Aの反映
まとめ
- 通所介護は(Ⅰ)イ56単位、(Ⅰ)ロ76単位(1日)、(Ⅱ)20単位(1月)。特養は(Ⅰ)12単位(1日)、(Ⅱ)(Ⅲ)20単位(1月)
- 通所介護の(Ⅰ)イとロは、専ら機能訓練指導員の職務に従事する理学療法士等を事業所に配置するのが土台。ロはさらに1名以上を足し、同時に2名以上そろう時間帯に、その方から訓練を受けた利用者だけが対象
- 1名しか確保できない日は、ロに代えてイを算定して差し支えない。ただし、営業日ごとの配置体制の事前説明が必要。事業所以外の機関との連携による確保は認められない
- 機能訓練指導員は専従で、常勤・非常勤の別は問わない。看護職員が兼ねた時間は、看護職員の人員基準に含めない
- 施設系の項には、計画の作成、評価、開始時と3月ごとの説明と記録、記録の保管、LIFEの提出が書かれている。(Ⅲ)は口腔・栄養との一体的取組が前提
- 特養は、個別機能訓練計画に相当する内容を施設サービス計画に書けば、計画の作成に代えられる
- 区分ごとのLIFE要件、通所介護の(Ⅱ)の要件、届出の細目は、この資料からは決まらない。最新の通知とQ&A、自治体で確認する
参考にした一次情報
- 指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準(訪問通所サービス、居宅療養管理指導及び福祉用具貸与に係る部分)及び指定居宅介護支援に要する費用の額の算定に関する基準の制定に伴う実施上の留意事項について(平成12年老企第36号)新旧対照表|厚生労働省:⒀ 個別機能訓練加算について
- 指定施設サービス等に要する費用の額の算定に関する基準の制定に伴う実施上の留意事項について(平成12年老企第40号)新旧対照表|厚生労働省:個別機能訓練加算の項
- 指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準等の一部を改正する告示(厚生労働省告示第86号)新旧対照表|厚生労働省:通所介護の注13、指定介護老人福祉施設の注
- 令和6年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.1)(令和6年3月15日)|厚生労働省:問53〜問58
- 介護報酬の算定構造(令和8年6月改定反映版)|厚生労働省:単位数
留意事項、告示、Q&Aは令和6年度改定時の資料、算定構造は令和8年6月改定反映版です。令和7年中の通知の改正が反映されているかは確認できていません。本記事は通知の構造を整理したもので、個別の事業所の算定が適切かどうかを判断するものではありません。具体的な判断は、所轄の自治体や最新の通知にご確認ください。
配置表・訓練記録・計画の説明日を、算定のたびに集め直していませんか
パレットテクノロジーズは、社会福祉法人様のデジタル化を「現地現物」で伴走支援しています。機能訓練指導員の配置、利用者ごとの訓練記録、計画の説明日と更新の予定を、同じ台帳で追える状態に整えるところからご一緒します。ITに詳しい職員がいらっしゃらなくても大丈夫です。