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機能訓練と生活訓練|自立訓練は法律で一つ、指定基準では二つの章

自立訓練の指定や運営に関わっていると、「機能訓練と生活訓練は、結局どこが違うのか」「同じ事業所で両方やるとき、どこまでが共通なのか」と、確認の手が止まる場面があります。人員を数えるとき、設備を見直すとき、計画の見直し時期を管理するとき、そのたびに別々の条文を開くことになるからです。

検索すると、自立訓練事業所の紹介サイトや、利用者向けの解説は数多く見つかります。それらは「どんな人が、どんな訓練を受けられるか」を丁寧に説明しています。一方で、事業を運営する側から見て、法令のどこにどの区分が書かれているのかを条文の順にたどったものは、あまり多くありません。

この記事は、次の3つの法令の原文だけを根拠に、自立訓練の構造を整理します。

  • 障害者総合支援法(平成17年法律第123号)第5条第12項
  • 障害者総合支援法施行規則 第6条の6・第6条の7
  • 指定障害福祉サービス基準(平成18年厚生労働省令第171号)第九章・第十章

この記事が確かめたいことは1つです。法律は「自立訓練」を1つのサービスとして定義しているのに、指定基準では機能訓練と生活訓練が別々の章になっている。この「ねじれ」を知っておくと、運営の確認がぐっと楽になる。

なお、報酬の単位数や加算、支給決定の実務、訓練プログラムの中身は、この記事の根拠にした条文の範囲に含まれないため書きません。個別の事業所への当てはめは、指定権者(都道府県・市町村)へのご確認が前提です。

目次

まず結論:法律は一つ、区分は施行規則、基準は二つの章

先に答えを示します。

  • 法律(障害者総合支援法第5条第12項)は、「自立訓練」を1つのサービスとして定義している。その定義に「機能訓練」「生活訓練」という語は出てこない
  • 2つの区分が最初に現れるのは施行規則第6条の6。この条の役目は、法第5条第12項の「主務省令で定める期間」を決めること。区分と期間がセットで決まっている
  • 期間は、機能訓練が一年六月間(頸けい髄損傷による四肢の麻痺その他これに類する状態にある障害者は三年間)、生活訓練が二年間(長期間入院していたその他これに類する事由のある障害者は三年間)
  • 指定基準では、機能訓練が第九章(第155条〜第164条)、生活訓練が第十章(第165条〜第173条)と別の章になっている
  • 人員は、機能訓練が看護職員・理学療法士・作業療法士又は言語聴覚士・生活支援員の組み合わせ、生活訓練が生活支援員を軸にし、宿泊型では地域移行支援員が加わる
  • 計画の見直しの周期は、どちらの章も第58条第9項の「六月」を「三月」と読み替える。ここは同じ

違いと共通点を、先に一覧にします。

項目自立訓練(機能訓練)自立訓練(生活訓練)
区分を定める条文施行規則第6条の6第一号施行規則第6条の6第二号
期間一年六月間(例外 三年間)二年間(例外 三年間)
指定基準の章第九章(第155条〜第164条)第十章(第165条〜第173条)
人員の中心看護職員、理学療法士・作業療法士又は言語聴覚士、生活支援員生活支援員(宿泊型は地域移行支援員が加わる)
計画の見直しの周期第58条第9項の「六月」を「三月」と読み替え同じ
共生型・基準該当の節ありあり

ここからは、この結論を条文で確かめます。

法律は「自立訓練」を1つのサービスとして定義している

障害者総合支援法第5条第12項は、自立訓練を次のように定義しています。

この法律において「自立訓練」とは、障害者につき、自立した日常生活又は社会生活を営むことができるよう、主務省令で定める期間にわたり、身体機能又は生活能力の向上のために必要な訓練その他の主務省令で定める便宜を供与することをいう。

読み取れるのは3点です。

  1. 定義されているのは「自立訓練」という1つのサービスで、この文の中に「機能訓練」「生活訓練」の語はない
  2. 訓練の目的は「身体機能又は生活能力の向上」と、2つの方向が1文の中に並んでいる
  3. 「期間」と「便宜」の中身は、どちらも主務省令に委ねられている

つまり、法律の段階では区分は作られておらず、期間と便宜を決める権限が省令に渡されています。区分が現れるのは、その委任を受けた省令です。

「機能訓練」「生活訓練」が初めて現れるのは施行規則第6条の6

この条の目的は、区分を作ることではなく期間を決めること

施行規則第6条の6の見出しは「法第5条第12項に規定する主務省令で定める期間」です。柱書は次のとおりです。

法第五条第十二項に規定する主務省令で定める期間は、次の各号に掲げる訓練の区分に応じ、当該各号に定める期間とする。

「訓練の区分に応じ」と書かれています。期間を決めるために、まず訓練を2つに分け、区分ごとに期間を定める、という書き方です。区分は、期間を決める必要から生まれていると読めます。

第一号が機能訓練、第二号が生活訓練

第一号は、身体機能の向上に係る自立訓練を「自立訓練(機能訓練)」と定義しています。

自立訓練のうち身体機能の向上に係るもの(以下「自立訓練(機能訓練)」という。)

第二号は、生活能力の向上に係る自立訓練を「自立訓練(生活訓練)」と定義しています。

自立訓練のうち生活能力の向上に係るもの(以下「自立訓練(生活訓練)」という。)

法第5条第12項にあった「身体機能又は生活能力の向上」の2つの方向が、そのまま2つの区分に対応しています。

期間は区分ごとに違い、どちらにも括弧書きの例外がある

それぞれの区分に定められた期間は、次のとおりです。まず機能訓練です。

一年六月間(頸けい髄損傷による四肢の麻痺その他これに類する状態にある障害者にあっては、三年間)

次に生活訓練です。

二年間(長期間入院していたその他これに類する事由のある障害者にあっては、三年間)

整理すると、次のようになります。

区分原則の期間括弧書きの例外(期間)
自立訓練(機能訓練)一年六月間頸けい髄損傷による四肢の麻痺その他これに類する状態にある障害者(三年間)
自立訓練(生活訓練)二年間長期間入院していたその他これに類する事由のある障害者(三年間)

注意したいのは、例外の対象が「障害者」の状態や事由で書き分けられている点です。たとえば生活訓練の例外は「長期間入院していたその他これに類する事由のある障害者」と書かれており、「その他これに類する事由」がどこまでを含むかは、条文の文言だけでは判断できません。個別の利用者がこの例外に当たるかどうかは、支給決定をする市町村への確認が前提です。

なお、検索ではこの期間をさまざまな呼び方で見かけますが、条文の語は「期間」です。この記事では、条文の語のまま「期間」と書きます。期間の延長や更新の手続、回数は、この記事の根拠にした条文には含まれないため扱いません。

便宜の中身も、区分ごとに定められている(第6条の7)

法第5条第12項が委任した「便宜」は、続く第6条の7が区分ごとに定めています。機能訓練の便宜は、次のとおりです。

障害者支援施設若しくはサービス事業所(法第三十六条第一項に規定するサービス事業所をいう。以下同じ。)又は障害者の居宅において行う理学療法、作業療法その他必要なリハビリテーション、生活等に関する相談及び助言その他の必要な支援

生活訓練の便宜は、次のとおりです。

障害者支援施設若しくはサービス事業所又は障害者の居宅において行う入浴、排せつ及び食事等に関する自立した日常生活を営むために必要な訓練、生活等に関する相談及び助言その他の必要な支援

機能訓練は「理学療法、作業療法その他必要なリハビリテーション」、生活訓練は「入浴、排せつ及び食事等に関する自立した日常生活を営むために必要な訓練」が、それぞれ例示の先頭に置かれています。行う場所が「障害者支援施設若しくはサービス事業所又は障害者の居宅」である点は、2つの区分で同じです。

指定基準では、機能訓練が第九章、生活訓練が第十章

事業の冒頭の条で、どちらも「規則第六条の六」の期間を引いている

指定基準は、区分を2つの章に分けています。機能訓練の章の冒頭の第155条は、次のように書いています。

利用者が自立した日常生活又は社会生活を営むことができるよう、規則第六条の六第一号に規定する期間にわたり、身体機能又は生活能力の維持、向上等のために必要な訓練その他の便宜を適切かつ効果的に行うものでなければならない。

生活訓練の章の冒頭の第165条は、次のとおりです。

利用者が自立した日常生活又は社会生活を営むことができるよう、規則第六条の六第二号に規定する期間にわたり生活能力の維持、向上等のために必要な支援、訓練その他の便宜を適切かつ効果的に行うものでなければならない。

どちらも、事業の目的に「規則第六条の六」の期間を引いています。第一号か第二号かが違うだけで、期間と区分がセットで決まっているという構造が、基準の側にも引き継がれています。なお、2つの条とも、ここで引用したのは後半部分です。条の前半には、それぞれの区分に係る指定障害福祉サービスの事業の定義が置かれています。

章ごとの条の並び

2つの章の条の並びを、見出しのあるものを中心に示します。

機能訓練(第九章)生活訓練(第十章)
第155条 事業の趣旨第165条 事業の趣旨
第156条 従業者の員数第166条 従業者の員数
第157条・第158条 準用第167条 準用
(設備の条は章の中にない)第168条 設備
第159条 利用者負担額等の受領第169条の2 サービスの提供の記録、第170条 利用者負担額等の受領
第160条 訓練、第161条 地域生活への移行のための支援第170条の2 利用者負担額に係る管理、第170条の3 記録の整備
第162条 準用第171条 準用
第162条の2〜第162条の5 共生型第171条の2〜第171条の4 共生型
第163条〜第163条の3 基準該当など第172条・第172条の2 基準該当など
第164条 準用第173条 準用

機能訓練の章に設備の条そのものは置かれていませんが、第157条が第51条と第79条を準用しているため、機能訓練の設備の基準がどこで定まるかは、準用先の条文まで確認する必要があります。この記事の根拠にした抜粋には準用先の中身が含まれないため、機能訓練の設備には立ち入りません。

生活訓練は、訓練と地域移行の条を機能訓練の章から借りている

2つの章は完全に別々、というわけでもありません。生活訓練の章の第171条は、機能訓練の章にある第160条(訓練)と第161条(地域生活への移行のための支援)を準用しています。

第百六十条及び第百六十一条の規定は、指定自立訓練(生活訓練)の事業について準用する。

訓練の進め方や、地域生活への移行の支援といった核になる部分は、機能訓練の章に書かれた条文が、生活訓練にもそのまま及んでいます。章は2つに分かれていても、中身が共通している部分があるということです。

人員の基準:機能訓練は職種の組み合わせ、生活訓練は生活支援員が軸

機能訓練:看護職員・理学療法士等・生活支援員

機能訓練の事業所に置く従業者は、第156条第1項第一号が次の職種を挙げています。

看護職員、理学療法士、作業療法士又は言語聴覚士及び生活支援員

その員数は、次のとおりです。

看護職員、理学療法士、作業療法士又は言語聴覚士及び生活支援員の総数は、指定自立訓練(機能訓練)事業所ごとに、常勤換算方法で、利用者の数を六で除した数以上とする。

総数が「利用者の数を六で除した数以上」であるうえに、同項のロ・ハ・ニが、看護職員、理学療法士・作業療法士又は言語聴覚士、生活支援員のそれぞれを一以上置くことを求めています。総数の基準と職種ごとの下限の、二重の決まりです。

理学療法士等の確保が難しい場合の定めも、第156条第4項にあります。

第一項第一号の理学療法士、作業療法士又は言語聴覚士を確保することが困難な場合には、これらの者に代えて、日常生活を営むのに必要な機能の減退を防止するための訓練を行う能力を有する看護師その他の者を機能訓練指導員として置くことができる。

生活訓練:生活支援員を、利用者の区分で割り算する

生活訓練の事業所の生活支援員は、第166条第1項第一号が次のように書いています。

指定自立訓練(生活訓練)事業所ごとに、常勤換算方法で、イに掲げる利用者の数を六で除した数とロに掲げる利用者の数を十で除した数の合計数以上

イとロの中身は、次のとおりです。イは次の一言です。

ロに掲げる利用者以外の利用者

ロは宿泊型自立訓練の利用者です。

指定宿泊型自立訓練(指定自立訓練(生活訓練)のうち、規則第二十五条第七号に規定する宿泊型自立訓練に係るものをいう。以下同じ。)の利用者

整理すると、生活支援員の必要数は、宿泊型以外の利用者を六で除した数と、宿泊型の利用者を十で除した数を足した数以上です。宿泊型の利用者のほうが、割る数が大きい(十)ため、利用者1人あたりの必要数は小さく計算されます。通所の利用者と宿泊型の利用者の両方がいる事業所では、足し合わせて考えることになります。

宿泊型には地域移行支援員が加わる

宿泊型を行う場合は、生活支援員のほかに、第166条第1項第二号が地域移行支援員を求めています。

指定宿泊型自立訓練を行う場合、指定自立訓練(生活訓練)事業所ごとに、一以上

地域移行支援員は、宿泊型を行う事業所だけに置く職種です。宿泊型自立訓練を新たに始める、あるいは受け入れる法人が、人員の配置計画を立てるときの確認点になります。

看護職員を置いている生活訓練の事業所は、読み替えがある

生活訓練の第166条第2項は、健康上の管理などの必要がある利用者がいて看護職員を置いている事業所について、同条第1項第一号の「生活支援員」を「生活支援員及び看護職員」と読み替える、と定めています。この場合、生活支援員と看護職員の数は、それぞれ一以上とされます。生活訓練では看護職員は必須の職種ではなく、置いた場合に読み替えが働くという組み立てです。

サービス管理責任者は、どちらの章でも同じ書き方

サービス管理責任者の配置は、第156条第1項第二号(機能訓練)と第166条第1項第三号(生活訓練)で、同じ書き方になっています。利用者の数が六十以下なら一以上、六十一以上なら、次のとおりです。

一に、利用者の数が六十を超えて四十又はその端数を増すごとに一を加えて得た数以上

サービス管理責任者の資格要件は、サービス管理責任者の資格要件の記事で整理しています。

共通する決まり:利用者の数は前年度の平均値

利用者の数の数え方も、2つの章で同じです。第156条第3項と第166条第4項は、どちらも利用者の数を前年度の平均値とし、新規に指定を受ける場合は推定数による、と書いています。常勤の要件もそれぞれあり、機能訓練は看護職員・生活支援員・サービス管理責任者のうち各一人以上、生活訓練は生活支援員とサービス管理責任者のうち各一人以上が、常勤でなければなりません。生活訓練のサービス管理責任者については、宿泊型を行う事業所で利用者の支援に支障がない場合は、この限りでない、というただし書きが付いています。

設備の基準:生活訓練の章に、宿泊型の居室と浴室が書かれている

生活訓練の設備は、第168条にあります。まず基本となる設備です。

指定自立訓練(生活訓練)事業所は、訓練・作業室、相談室、洗面所、便所及び多目的室その他運営に必要な設備を設けなければならない。

宿泊型を行う事業所には、さらに居室と浴室が加わります。

指定宿泊型自立訓練を行う指定自立訓練(生活訓練)事業所にあっては、第一項に規定する設備のほか、居室及び浴室を設けるものとし、その基準は次のとおりとする。

居室の定員と面積は、次のとおりです。

一の居室の定員は、一人とすること。

一の居室の面積は、収納設備等を除き、七・四三平方メートル以上とすること。

居室は定員一人、面積は収納設備等を除いて七・四三平方メートル以上です。「収納設備等を除き」と書かれているため、面積は収納を除いて数えます。なお、宿泊型のみを行う事業所は、同項のただし書きで訓練・作業室を設けないことができます。

同じところ:計画の見直しは、どちらも三月

違いを見てきたので、同じところも確かめます。計画の作成と見直しは、基準の第58条が定めています。この条の本文は療養介護の事業向けに書かれていますが、機能訓練の章は第162条で、生活訓練の章は第171条で、それぞれ準用しています。その際の読み替えが、どちらも次の形です。機能訓練の第162条は、次のとおりです。

第五十八条中「療養介護計画」とあるのは「自立訓練(機能訓練)計画」と、同条第九項中「六月」とあるのは「三月」と

生活訓練の第171条は、次のとおりです。

第五十八条中「療養介護計画」とあるのは「自立訓練(生活訓練)計画」と、同条第九項中「六月」とあるのは「三月」と

読み替えの対象になる第58条第9項は、次のように書いています。

少なくとも六月に一回以上、療養介護計画の見直しを行い、必要に応じて療養介護計画の変更を行うものとする。

読み替えると、自立訓練の計画は、少なくとも三月に一回以上、見直すことになります。機能訓練でも生活訓練でも、計画の見直しの周期は三月で同じです。

ここに、運営上の気づきがあります。期間は区分によって一年六月間と二年間で違いますが、計画を見直す周期はどちらも三月です。同じ事業所に両方の区分の利用者がいても、見直しの周期は一本で管理できます。一方で、期間の終わりは区分によって違います。計画の見直し時期と、期間の終わりの時期の、2種類の日付を利用者ごとに管理する必要がある、ということです。

計画の作成・見直しを、障害福祉サービスの計画全体の中でどう位置づけるかは、サービス等利用計画と個別支援計画の記事で整理しています。

共生型・基準該当:通所介護事業者等が自立訓練を提供する経路

2つの章には、どちらにも共生型と基準該当の節があります。介護保険のサービスの事業者が、自立訓練を提供する経路が、条文の上で用意されているということです。

生活訓練の共生型は、第171条の2が次のように書いています。

自立訓練(生活訓練)に係る共生型障害福祉サービス(以下「共生型自立訓練(生活訓練)」という。)の事業を行う指定通所介護事業者等が当該事業に関して満たすべき基準は、次のとおりとする。

基準該当は、第172条第一号が次のように書いています。

指定通所介護事業者等であって、地域において自立訓練(生活訓練)が提供されていないこと等により自立訓練(生活訓練)を受けることが困難な障害者に対して指定通所介護等を提供するものであること。

機能訓練の側には、第162条の2(指定通所介護事業者等)、第162条の3(指定通所リハビリテーション事業者)、第162条の4(指定小規模多機能型居宅介護事業者等)と、共生型の条が3つあります。基準該当も、第163条(通所介護事業者等・通所リハビリテーション事業者)、第163条の2(小規模多機能型居宅介護事業所等)、第163条の3(病院又は診療所)と、機能訓練のほうが入口の種類が多いのが条文の特徴です。生活訓練の側は、共生型が第171条の2・第171条の3、基準該当が第172条・第172条の2で、病院又は診療所に当たる条は置かれていません。

どちらの共生型・基準該当にも共通して、指定自立訓練の事業所その他の関係施設から必要な技術的支援を受けていることが基準として並んでいます。介護保険の事業所が自立訓練を提供する場合でも、自立訓練の事業所とのつながりが前提になる構造です。

法人本部の備え方:区分と期間と見直し時期を、利用者ごとに見られるようにする

ここまでが条文から言えることです。ここから先は、条文が求めていることではなく、実務上の提案です。

自立訓練では、利用者ごとに期間が決まり、その期間の中で三月ごとに計画を見直すことになります。区分によって期間も人員の数え方も変わるため、事業所の中に機能訓練と生活訓練の利用者、さらに宿泊型の利用者がいると、確認する日付と数字が増えます。次のような項目を、1つの台帳でそろえて見られるようにすることを提案します。

項目何のために使うか
利用者の区分(機能訓練・生活訓練・宿泊型か)人員の数え方(六で除すか、十で除すか)の確認材料にする
条文上の期間と、例外に当たるかの確認結果一年六月間・二年間・三年間のどれで管理するかを記録に残す
計画の作成日と次回見直し日(三月以内)第58条第9項の読み替えによる見直しの管理
前年度の平均利用者数第156条第3項・第166条第4項による人員の確認
常勤の配置状況生活支援員・サービス管理責任者など、常勤が要る職種の確認
指定権者・市町村への確認事項条文だけで判断できない点の記録

運用のポイントは3つです。

  1. 区分と期間の対応を、利用者ごとに見える形にする。例外に当たるかどうかの確認結果も、あとで見返せるよう記録に残す
  2. 計画の見直し日(三月以内)と期間の終わりを、別々の日付として管理する。見直しの周期は2つの区分で共通だが、期間の終わりは区分で違う
  3. 人員の確認は、区分ごとの割り算の仕方に合わせる。宿泊型の利用者がいる事業所は、六で除す利用者と十で除す利用者を分けて数える

この記事で書いていないこと

この記事は、抜粋した条文の原文として確認できた範囲だけを書いています。次の点は、根拠にした条文に含まれていないため、扱っていません。

  • 報酬の単位数、加算の名称、金額
  • 期間の延長や更新の手続、その回数
  • 支給決定の実務、期間の数え始めの考え方
  • 訓練プログラムの中身、令和6年度報酬改定の内容
  • 第157条・第167条が準用する第51条・第79条の中身(機能訓練の設備を含む)
  • 規則第25条第7号が定める宿泊型自立訓練の中身
  • 「その他これに類する事由」に当たるかの個別の判断

判断に迷うときは、指定権者や支給決定をする市町村に確認してください。

まとめ

  • 法律(障害者総合支援法第5条第12項)は、自立訓練を1つのサービスとして定義している。機能訓練・生活訓練という区分は、法律の定義の中には出てこない
  • 2つの区分は、施行規則第6条の6が、法第5条第12項の期間を定めるために設けている。機能訓練は一年六月間、生活訓練は二年間で、それぞれ括弧書きの例外(三年間)がある
  • 指定基準では、機能訓練が第九章、生活訓練が第十章と別の章になっている。ただし、生活訓練は第171条で、機能訓練の章の第160条・第161条を準用している
  • 人員は、機能訓練が看護職員・理学療法士等・生活支援員の組み合わせ、生活訓練が生活支援員を軸にし、宿泊型では地域移行支援員が加わる。設備では、生活訓練の宿泊型に居室(定員一人・七・四三平方メートル以上)と浴室が定められている
  • 計画の見直しは、どちらの章も第58条第9項の「六月」を「三月」と読み替える。周期は同じだが、期間の終わりは区分で違うため、2種類の日付を利用者ごとに管理する
  • 共生型と基準該当の節がどちらの章にもあり、通所介護事業者等が自立訓練を提供する経路が用意されている

自立訓練は、法律では1つのサービスなのに、基準では2つの章に分かれています。確認する条文が増えるぶん、利用者ごとの区分・期間・見直し時期を一覧できる仕組みが、運営の負担を軽くします。

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※本記事は障害者総合支援法および関係する省令の条文を整理したものです。個別の事業所への当てはめや、期間の例外に当たるかの判断は、指定権者・市町村へのご確認をお願いします。


参考にした一次情報

  • 障害者総合支援法(平成17年法律第123号)第5条(定義)第12項|e-Gov法令検索
  • 障害者総合支援法施行規則 第6条の6(法第5条第12項に規定する主務省令で定める期間)・第6条の7(法第5条第12項に規定する主務省令で定める便宜)|e-Gov法令検索
  • 指定障害福祉サービス基準(平成18年厚生労働省令第171号)第九章 自立訓練(機能訓練)(第155条〜第164条)・第十章 自立訓練(生活訓練)(第165条〜第173条)、第156条(従業者の員数)・第162条(準用)・第166条(従業者の員数)・第168条(設備)・第171条(準用)・第162条の2〜第162条の5・第171条の2〜第171条の4(共生型)・第163条〜第163条の3・第172条・第172条の2(基準該当ほか)、第58条(療養介護計画の作成等)|e-Gov法令検索

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