目次
はじめに
Kintone(キントーン)ってどんなことができるかご存じですか?
はじめまして。奈良県のITコンサル会社「株式会社パレットテクノロジーズ」の阪本です。
CMでも頻繁に登場しているサイボウズ社のKintoneについてのご紹介になります。
孫悟空をモチーフにしたCMや、前職でExcel管理業務に苦労していた人が、Kintoneの便利さに涙する演出で、印象的ですね。
恥ずかしながらわたしも、「Kintoneって結局何なんだ?」とよくわかっていない期間が長かったです。
公式サイトや色んなサイトの説明を見てもピンとこなかったのです。
特に、何が出来て何が出来ないのかの理解が出来るまで、時間を要しました。
本記事では、Kintoneとは何かについて、ITにあまり詳しくない方でも理解しやすいように解説していきます。
そのため、ざっくりとした表現も多くなりますが、イメージはつかんでもらえると思います。
他の記事とは違った視点でのお話もしていきますので、最後までご覧いただけると嬉しいです。
結論:Kintoneは何者なのか?
パターンオーダーでアプリ(システム)開発ができるもの。
フルオーダーにしようとすると、カスタマイズがいっぱい必要になり、費用がかさむ。
というイメージです。
ある程度型にはまったアプリ開発は簡単に出来ますが、型から外れるものに関してはカスタマイズが必要になります。
スーツをイメージして頂くと分かりやすいかと思います。
いくつかのデザインパターンからスーツを選んで購入するようなお店では、
オーダースーツよりも安く仕立てることが出来ますよね。
そのデザインパターンから外れるものは「オプション料金がかかる」、「出来ない」といったことが起こります。
全ての企業が必ずしもフルオーダーのシステム開発を行う必要はないですし、コストパフォーマンスを考えると、中小・中堅企業に適したサービスだと感じました。
そもそもKintone(キントーン)とは?
公式サイトによる定義
まずはサイボウズ社の公式サイトから抜粋した内容を記載します。
https://kintone.cybozu.co.jp/what_is_kintone/
表計算ソフトよりも快適に、専門システムより柔軟に、自社でシステムを開発するよりスピーディー&低コストに、「サクッと」思いついた業務改善をすぐに実行できるのが特徴です。
色々と理解した後で気が付いたのですが、Kintoneは【表計算ソフト】と比較することが多いです。
Kintoneは基幹システムのような使い方も出来なくはない。が、
基幹システムとして利用してもらいたいというより、表計算ソフトの代わりに使ってもらいたいという意図があるのではないでしょうか。
*1 表計算ソフト … ExcelやGoogleスプレッドシートのこと。
*2 基幹システム … 会計・人事・給与・在庫・生産・営業システムなど、企業がデータを管理し、効率的な情報の共有やデータによる意思決定を目的とするシステム。企業によるデータ管理の背骨となるようなもの。
Excelとの比較
実際に、Excelを利用して社内業務を管理している企業は多いですよね。
もはや、どんな規模の企業であっても、システムをいくつも構築しているような企業であっても、細々としたデータの管理はExcelで行っているということはないでしょうか?
しかし、Excelでデータを管理する上でやっかいなこともあります。TOP3は下記のような内容です。
・Excelファイルの最新版がどれか分からなくなる。
・リアルタイムに情報共有できない。
・外出先など、パソコンがない環境でデータを見れない。
それでは、それぞれ見ていきましょう。
Excelファイルの最新版がどれか分からなくなる。
複数人で同じExcelファイルを編集していると、こんなファイル名になりませんか?
「●●株式会社様提案書_最新版_企画部追記_20230825.xlsx」
きっと、この後もう一度追記されるときは、後ろに【本当の最新版】とか【確定版】みたいな文言が付くことでしょう。
このように、どれが最新版のファイルか分からなくなることも多いのですが、Kintoneではそれは起こりません。
リアルタイムに情報共有できない。
Excel上で在庫データを管理していることを例に挙げます。
商品を出荷して、在庫が無くなってしまったとしても、Excelのデータを更新し、それを全体にメールするまで、他の人はリアルな在庫数を把握することが出来ません。
しかし、Kintoneでは、出荷のタイミングにKintoneのアプリで出荷数を入力しておくだけで、常に他の人が最新の在庫数を把握することが出来ます。
外出先など、パソコンがない環境でデータを見れない。
スマホやタブレットのようなモバイル端末でも、データの閲覧が可能で見やすいです。
パソコンを持ち出していなかったとしても、スマホにKintoneのアプリさえ入れておけば、社外でデータの確認や、決裁の承認などを行うことが出来ます。
Excelと比較して出来ないこと
Excelの欠点を補うような機能は上記で挙げましたが、逆にExcelでは出来て、Kintoneでは出来ないことも理解しておく必要があります。
Kintoneは、【複雑な計算や関数の使用】が出来ません。
Excelには膨大な数の関数があり、データを修正するなどのデータ操作を行うことが出来ます。
現状では、Kintone上ではその機能が限られており、複雑な関数などを用いる場合には適していません。
Excelの短所であるデータ共有は得意である。
専用ソフト(パッケージやSaaSなど)との比較
専用ソフトを導入しようとすると、初期費用で数百万~数千万円かかり、運用費用で年間その10%~20%程度かかるということがザラにあります。
それに比べて、Kintoneでは、1人1,500円/月で始めることが出来ます。
(もう少し安いライトコースがありますが、こちらはカスタマイズとプラグインの利用が出来ないため、実用性に欠けます。)
また、専用ソフトにはあらかじめ決められた機能が搭載されており、追加や修正を行う場合は高額なカスタマイズ費用がかかります。
近頃は、DXによる影響で新規参入者が増え、変化の激しい時代になっています。
その変化に対応していくため、新たな機能の追加や修正などが頻繁に行われることもあります。
Kintoneでは、機能の追加や修正が簡単に出来ますので、高額なカスタマイズ費用が掛からないというメリットがあります。
DXについての記事も書きましたので、よろしければこの機会にご参照ください。
【図解】DXとは?どこよりもわかりやすく解説!経済産業省の定義から事例までを体系的にご紹介!
良いところばかり述べましたが、Kintoneにも苦手なことがあります。
専用ソフトにある見積書や請求書などの帳票印刷機能は、カスタマイズ or プラグインで対応する必要があり、
製造業あるあるですが、何層にもなる部品表の構成などは、Kintoneで表現するのが難しいです。
その他、棚卸アプリで棚卸結果を入ると、自動で在庫アプリに在庫数のデータを反映させるなど、アプリ間のデータ連携もカスタマイズ or プラグインが必要です。
痒い所に手が届かないというレベルではありませんが、【何でも出来るわけではない】という感じです。
実際に、サイボウズ社の方も「基幹システムとして利用するのはオススメしていない」と仰っていました。
なぜなら、カスタマイズに膨大な費用が掛かってしまい、Kintoneを利用するメリットが薄れてしまうためです。
Kintoneを上手く扱う方法
では、どうすればKintoneを上手く扱うことが出来るのか、ステップ式で記載していきます。
何をしたいのか、何をすべきかを明確にする。
弊社では、やるべきことを間違えないために、まずは事業の方向性や広がりなどをヒアリングさせて頂きます。
その中で、将来的にありたい姿から逆算をして、【何をすべきか、何のデータを管理するべきか】から一緒に考えさせていただきます。
また、業務の効率化であれば業務フローの作成を行うことで可視化し、問題点の洗い出しを行います。
Kintoneの性質を理解する。
本記事では、Kintoneの得意なこと、苦手なことを記載しました。
正しく理解し、Kintoneの守備範囲を理解した上で、次の選定ステップへ向かいます。
Kintoneを使うべきか検討する。
やるべきこととKintoneの性質が分かれば、次のステップとしてはKintoneを使うべきなのか、
それとも他のシステムにするべきか、はたまたシステムを利用しないのかを検討する必要があります。
Kintoneは無料のトライアルが可能ですので、一度Kintoneを触ってみるのも効果的です。
全体の構成を考える。
Kintoneを導入する際に、【好きなように使ってください!】と社内に号令をかけると、アプリが乱立してしまいます。
似た機能のアプリが乱立してはいけないですし、各アプリのデータの関係性を明確に決めておく必要があります。
例えば、
何も考えずに受注管理のアプリを作成すると、入力者によって【データのゆらぎ】が生じてしまいます。
ゆらぎとは、下記のようなデータの誤差が生じることです。
・取引先名称:株式会社パレットテクノロジーズ
・取引先名称:株式会社 パレットテクノロジーズ
・取引先名称:株式会社パレットテクノロジーズ
Kintoneには、集計機能があります。
株式会社パレットテクノロジーズからの売上を集計しようとした際、
上記3パターンは同じ取引先とみなされません。
この場合では、取引先マスタを準備するなどの対応が必要になります。
まとめ
Kintoneの良いところ
・安く、早く、簡単にデータ管理が出来る。
・プログラムをかけない人でも、アプリを作成できる。
・初期費用0円で利用できる。
・データをグラフで可視化できる。
・いくつアプリを作っても定額。
・スマホ、パソコン、タブレットからアクセスが可能。
・脱Excelが可能。
・アプリやファイルへのアクセス制限が出来る。
・トライアルが出来る。
・自社でサーバを準備する必要が無い。
・電子決裁システム(ワークフロー)の構築が出来る。
・データの条件(例:●●個を下回れば)によって、通知をとばすことが出来る。
Kintoneの注意点
・カスタマイズはプログラミングが必要。
・外部サービスとの連携はプログラミングが必要。
・プラグイン(拡張機能)は追加でお金がかかる可能性がある。
・複雑な計算や関数の処理は出来ない。
・アプリ間の連携はカスタマイズが必要。
・帳票出力はカスタマイズ or プラグインが必要。
・一括のデータ更新は、データをエクスポート⇒データの整形⇒データのインポートが必要。
・何層にもなる深い部品構成の管理は得意でない。
・他システムと連携する場合はリアルタイムでの通信が難しい(制限がある)。
・ファイル管理システムとして利用するには、容量が少ない。
・膨大なデータを入力すると動きが悪くなる。
・ルールや全体構成は決めておかないと、ぐちゃぐちゃになる。
・データを削除すると戻せないため、バックアップをとる必要がある。
・利用は5ユーザーから可能。
弊社のご紹介
弊社は非IT企業のお客様に対して、DX推進(ITに関わること全般)の支援をさせて頂いております。
中小企業様でもご利用いただきやすい金額で、Kintone(キントーン)の開発やアドバイスも行っております。
もしご興味を持って頂けましたら、一度どんなことに困っていらっしゃるのか、お聞かせ頂けませんか?
さいごに
いかがでしたでしょうか?
ここまでお読みいただき、ありがとうございました!
「参考になったよ~」という方は、ご意見やご感想をお知り合いに共有して頂けますと、とても喜びます!
それでは、また。